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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

無職者の休業損害

最終更新日:2023年6月19日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎

無職者の休業損害
無職者の休業損害は、今後の就労の可能性が高かったときに請求できます。

この記事では交通事故被害者にむけて、無職者の休業損害が賠償対象となる場合や計算方法を交通事故に詳しい弁護士がわかりやすく解説します。

なお問題が発生しそうなときは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

無職者の休業損害とは

休業損害とは事故により発生した収入の減少です。

事故時に無職だったときは直ちに収入の減少は発生しません。しかし、再就職が既に決まっていたときや、今後の再就職の可能性が高いときは、事故により収入が減ったと評価できます。

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無職者の休業損害の支払基準

では自賠責保険や裁判での無職者の休業損害の支払基準はどのようなものでしょうか?
自賠責保険では自賠責保険の支払基準の告示(金融庁)があります。
裁判では赤い本と青い本という裁判の基準をまとめた本があります。

赤い本の基準

  • 労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性があるものは認められるが、平均賃金より下回ったところになろう。

青い本の基準

  • 身体状況が改善され就労可能になるまでの期間が比較的短期間の場合には、具体的な就労の予定が明らかにされないかぎり、休業損害の発生が否定されることが多い。
  • 就職が内定しているなど就労の予定が具体化している場合は、就労予定日から就労可能となる日までの間の休業損害が認められることになる。
  • 失業者の基礎収入額の認定は、就職内定のような場合は就労予定先での予定された金額となる。
  • 具体的な目安がないときは、失業前の収入水準、失業の経緯、年齢、身につけた技能・資格などや賃金センサスの平均額などを参考に現実的と思われる金額を算定すべきである。

基準の解説

無職者の休業損害が請求できるとき

無職者の休業損害が請求できるのは次のようなときです。

  • 事故時無職であるものの、今後の就職日が既に決まっているとき
  • 事故時無職であるものの、今後就職する可能性が高かったとき

内定がある場合や就職活動を具体的にしている場合などは休業損害が請求できる確率が高まります。

無職者の休業損害の期間

無職者の休業損害の期間は個別事案により異なります。実際に事故で仕事を休んだわけではないため、期間は少なめな判断が多いでしょう。

無職者の休業損害の金額

無職者の休業損害の金額は次の通りです。

  • 既に内定が決まっていた場合、内定先の給与条件を基準にすることが多いです。
  • 就職活動中だった場合、個別事案によります。ただし、実際に事故で仕事を休んだわけではないため、金額は控えめな判断が多いでしょう。過去の仕事の給与水準や社会一般の平均賃金等を参考にすることが多いです。

無職者の休業損害が賠償対象となった事例

では無職者の休業損害が賠償対象となった事例にはどのようなものがあるでしょうか?代表的なパターンをご紹介します。

事故時に内定があった事例

次の理由で既に内定があった無職者につき、年収1500万円を基礎する休業損害が賠償対象となりました。

  • MBAの資格を有する30歳
  • 事故前に就職先が内定
  • 年収1500万円の予定
  • 事故から約7カ月分の休業損害として約547万円が賠償対象
    (大阪地方裁判所平成17年10月12日判決)

今後就職する可能性が高かった事例

次の理由で転職予定者につき、3カ月と25日分で年収2468万円を基礎とする休業損害が賠償対象となりました。

  • 公認会計士の29歳
  • 勤務先である証券会社を退職予定であったが、外資系投資銀行への再就職を考えていた
  • 従前の年収が2468万円
  • 再就職までの期間は事故がなくても通常3カ月程度かかるのでその間の休業損害は認めない
  • それ以外の無職の期間(3カ月と25日)は事故による休業損害と認める
    (東京地方裁判所平成29年3月29日判決)

まとめ:無職者の休業損害

無職者の休業損害は、内定があるときや就職活動を具体的にしているときに請求できます。期間や金額は個別事案により異なります。実際に事故で仕事を休んだわけではないため、少なめな判断が多いでしょう。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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