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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

失業者の逸失利益の基礎収入

失業者の逸失利益の基礎収入についての損害賠償の基準

損害賠償の基準

(赤い本と青い本は賠償基準をまとめた本です。自賠責保険は加入義務のある保険です。)

赤い本の損害賠償基準

  • 労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性のあるものは認められる。
  • 再就職によって得られるであろう賃金を基礎とすべきで、その場合特段の事情のない限り失業前の収入を参考とする。
  • ただし、失業以前の収入が平均賃金以下の場合には、平均賃金が得られる蓋然性があれば、男女別の賃金センサスによる。

青い本の損害賠償基準

  • 原則として、賃金センサスの平均賃金ないしは失業前の収入実績を参照して、適切な基礎収入額を認定する。

自賠責保険の損害賠償基準

  • (働く意思と能力を有する場合)年齢別平均給与額の年相当額とする。ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。

失業者の逸失利益の基礎収入Q&A

Q高齢で仕事をしていません。逸失利益は認められますか?
A認められない可能性が高いでしょう。

【解説】

  • 逸失利益は今後仕事をする可能性がある程度高い場合に認められます。そのため、高齢で仕事をしておらず、今後仕事をする可能性が低い場合には逸失利益は認められないでしょう。
    参考:高齢者の逸失利益の解説
Q不労所得を得ています。逸失利益は認められますか?
A認められない確率が高いでしょう。

【解説】

  • 不動産賃貸業を行い、自らも管理に関わっているような場合、逸失利益が認められる可能性はあります。
Q学生で今はアルバイトしていません。逸失利益は認められますか?
A認められます。

【解説】

  • 学生の場合、将来の収入の見込が不明なことが多いため、賃金センサスを利用して逸失利益の基礎収入を計算することが多いです。
    参考:学生の逸失利益の解説

過去の具体的な事例

さいたま地方裁判所平成30年12月28日判決

【結論】

  • 無職者につき294万3684円を基礎収入と認めた

【理由】

  • 就職活動中家事手伝いの46歳男性
  • 就職を予定していた会社の当初月収は15万円(年間180万円)
  • 昇給や条件のより就職先への転職もありえる
  • 事故前年の給与額は年420万
  • 420万の70%程度の294万3684円が逸失利益の基礎収入として相当

大阪高等裁判所平成21年11月17日判決

【結論】

  • 無職者につき賃金センサス女性学歴計全年齢平均の100%の金額を基礎収入と認めた

【理由】

  • 無職の29歳女性
  • 高次脳機能障害(後遺障害等級2級)
  • 事故時家事労働に従事
  • 将来的には就職を希望
  • 若年で婚姻可能性あり
  • 賃金センサスの平均額をそのまま利用するのが相当

神戸地方裁判所平成29年12月20日判決

【結論】

  • 失業者につき事故前年の年収282万円を基礎収入と認めた

【理由】

  • 事故当時無職の65歳の男性の死亡事案
  • 事故の2カ月前まで40年間教職
  • 退職後も求職活動を行っていた
  • 年齢からして就労の意思と能力あり
  • 事故前年の収入282万円を基礎収入とするのが相当

神戸地方裁判所平成28年1月20日判決

【結論】

  • 無職者につき180万876円を基礎収入と認めた

【理由】

  • 事故当時無職の63歳の男性の死亡事案
  • 過去の労災事故により後遺障害等級7級の障害あり
  • 仕事復帰への意欲があるため就労の蓋然性あり
  • 賃金センサス60歳から64歳の平均賃金から過去の7級分の56%の労働能力喪失率分を引いて計算が相当

まとめ

  • 失業者の逸失利益は、労働能力及び労働意欲があり、就労の蓋然性のある場合は認められます。
  • 具体的な金額は、再就職によって得られるであろう賃金を基礎とします。失業前の収入や平均賃金を参考にして決定します。

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