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交通事故知識ガイド各損害の損害賠償基準の詳細解説

医師等への謝礼

医師等への謝礼の損害賠償基準

損害賠償の基準

(赤い本と青い本は賠償基準をまとめた本です。自賠責保険は加入義務のある保険です。)

赤い本の損害賠償基準

  • 社会通念上相当なものであれば、損害として認められることがある。
  • 見舞客に対する接待費、快気祝等は道義上の出費であるから認められない。

青い本の損害賠償基準

  • 最近の傾向としては医師謝礼を認定した例はあまりない。

自賠責保険の損害賠償基準

  • 特段の基準はない。

医師等への謝礼Q&A

Qどのような場合に医師への謝礼が損害賠償として認められますか?
A謝礼が支払われるのが当然というような例外的な場合に限られます。

【解説】

  • 重篤な症状を手術で乗り切ったという例外的な場合、謝礼が損害として認められる可能性があります。
  • 治療に適切な医療機関を尽力して探してもらったという例外的な場合、謝礼が損害として認められる可能性があります。
Qあいさつ程度で儀礼的に医師への謝礼をした場合、損害賠償として認められますか?
A通常は認められないでしょう。
Q公立病院の医師に謝礼を渡すと問題となることがありますか?
Aあります。刑法の賄賂罪に該当する可能性があります。

【解説】

  • 公立病院の医師が謝礼を受け取ると、医師には刑法上の収賄罪が成立する可能性があります。
  • 謝礼を渡した側には刑法上の贈賄罪が成立する可能性があります。
    ■参考 
    刑法第197条第1項 収賄罪
    公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、7年以下の懲役に処する。
    ■参考
    刑法第198条 贈賄罪
    第197条から第197条の4までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。

過去の具体的な事例

仙台地方裁判所平成24年3月27日判決

【結論】

  • 医師への謝礼12万円が認められた

【理由】

  • 多数の骨折等重篤な受傷
  • 入院303日、通院期間2年8カ月
  • 救急搬送時に重篤な症状
  • 複数回の手術を受けた

さいたま地方裁判所平成21年2月25日判決

【結論】

  • 医師への謝礼30万円が認められた

【理由】

  • 緊急搬送先の病院で頭部の血種除去手術及びその後の治療
  • 緊急搬送時に昏睡状態
  • 治療の結果、集中治療室から一般病室に移ることが可能となった

東京地方裁判所平成21年2月26日判決

【結論】

  • 医師へ支払った謝礼27万円のうち10万円が認められた

【理由】

  • 右大腿骨骨折、右膝関節内骨折、右下腿骨骨折等の43歳(後遺障害等級併合4級)
  • 担当医医師へ謝礼として27万円を支払
  • 謝礼金の性質からして相当なのは10万円の範囲内

横浜地方裁判所平成25年3月26日判決

【結論】

  • 医師への謝礼は損害として認められなかった

【理由】

  • 右腕神経叢損傷の23歳(後遺障害等級併合4級)
  • 医師への謝礼は社会通念上被告が賠償すべき相当な損害ではない

大阪地方裁判所平成20年9月8日判決

【結論】

  • 医師への謝礼は損害として認められなかった

【理由】

  • 右下腿解放骨折、右足関節外果骨折の34歳
  • 医師看護師に対する謝礼として30万円を支払
  • 受傷の内容、経過に照らし当然に社会的相当性を有するものではない

大阪地方裁判所平成12年6月16日判決

【結論】

  • 医師への謝礼は損害として認められなかった

【理由】

  • 後遺障害が残存した19歳
  • 医師看護師への謝礼として19万8392円を支払
  • 謝礼は患者が任意に感謝の意を込めてなすべきものである

まとめ

  • 医師等への謝礼は損害賠償としては通常認められません。
  • 例外的な事情がある場合に限り、医師等への謝礼が損害賠償として認められます。

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