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入通院慰謝料の別表Ⅰと別表Ⅱの違い

入通院慰謝料の別表Ⅰと別表Ⅱの違い

最終更新日:2023年8月25日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 川田 啓介

Q入通院慰謝料の別表ⅠとⅡの違いは何ですか?
A①むち打ち症で他覚所見がない場合②軽い打撲の場合③軽い挫創の場合は別表Ⅱを使います。その他の場合は別表Ⅰを使うのが原則です。

しかし、実際には幅広く別表Ⅱを使っています。そのため、別表Ⅰを使うのは、骨折等の場合や後遺障害を伴う怪我の場合が多いです。

交通事故で入院

入通院慰謝料とは

入通院慰謝料とは入院や通院に伴う慰謝料です。入院や通院の期間や回数により金額が決まります。

入通院慰謝料の3つの基準

入通院慰謝料には次の3つの基準があります。

  • ①自賠責基準
  • ②任意保険基準
  • ③裁判基準

自賠責基準が一番少なく、裁判基準が一番多いことが多いです。

別表Ⅰと別表Ⅱとは

では、別表Ⅰと別表Ⅱとは何でしょうか?

公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している「赤い本」に記載がある慰謝料の表が別表Ⅰ別表Ⅱです。裁判での入通院慰謝料の基準をまとめた表です。別表Ⅱより別表Ⅰが慰謝料額が多いです。

赤い本 別表Ⅰ 入通院慰謝料基準表

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

赤い本 別表Ⅱ 入通院慰謝料基準表

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183

別表Ⅰと別表Ⅱの違い

では、実際には別表Ⅰと別表Ⅱはどのように使い分けるのでしょうか?

別表Ⅰは原則の場合の表、別表Ⅱはむち打ち症などの場合の表という分類が一般的です。

別表Ⅰと別表Ⅱの違い
別表Ⅰ ・原則的な怪我の場合
別表Ⅱ ・むち打ち症で他覚所見がない場合
・軽い打撲の場合
・軽い挫創の場合

しかし、実際には別表Ⅱを使う事案が多いです。いくつか具体例でみていきましょう。

MRI検査で異常がある頚椎捻挫の場合

MRI検査で異常がある頚椎捻挫の場合、MRI検査結果という他覚所見があります。そのため、別表Ⅱではなく別表Ⅰを使うはずです。

しかし、実際には頚椎捻挫の場合、MRI検査の異常があっても別表Ⅱを使うことが多いです。

全治6カ月の打撲の場合

全治6カ月の打撲の場合、軽い打撲ではないです。そのため、別表Ⅱではなく別表Ⅰを使うはずです。

しかし、実際には打撲の場合、6カ月程度の長期の治療期間でも別表Ⅱを使うことが多いです。挫創の場合も長期の治療期間でも別表Ⅱを使うことが多いです。

骨折では別表Ⅰを利用

では、別表Ⅰを使うのはどのようなときでしょうか?

骨折のときは別表Ⅰを使います。高次脳機能障害遷延性意識障害などの重症のときも別表Ⅰを使います。後遺障害が認定されるような怪我のときは、別表Ⅰを利用することが多いでしょう。

利用する表で保険会社ともめたときの対応

では、保険会社の主張は別表Ⅱ、自らの主張は別表Ⅰのときはどうすればよいでしょうか?

まずは他覚所見の証拠を集めましょう。MRI検査での異常や神経学的所見があると別表Ⅰになることがあります。

交渉で解決できないときは、交通事故紛争処理センターや民事裁判の利用を考えましょう。経験上、交渉よりも別表Ⅰになりやすいです。

まとめ:入通院慰謝料の別表Ⅰと別表Ⅱの違い

①むち打ち症で他覚所見がない場合②軽い打撲の場合③軽い挫創の場合は別表Ⅱを使います。その他の場合は別表Ⅰを使うのが原則です。

しかし、実際には幅広く別表Ⅱを使っています。そのため、別表Ⅰを使うのは、骨折等の場合や後遺障害を伴う怪我の場合が多いです。

(監修者 弁護士 川田 啓介

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