メニュー
交通事故知識ガイドせき柱及びその他の体幹骨

脊椎の破裂骨折

せき柱その5 脊椎の破裂骨折

脊椎の圧迫骨折の大半は、椎体の前方壁のみが潰れ、椎骨がくさび形に変形します。この場合、多くは、脊髄には影響を与えません。
ところが、椎体の前方の壁だけではなく、後方の壁も潰れてしまうという圧迫骨折が発生することがあります。これを破裂骨折と呼んでいます。椎弓骨折もしばしば生じます。
交通事故では、破裂骨折が生じたほとんどのケースで、麻痺、痺れ、脚の痛みなど、重い脊髄症状を呈します。
破裂骨折は胸椎下部から腰椎上部に発生することが多いです。
脊椎の破裂骨折

上記のイラストでは、グレード3の一番右のものに匹敵するものです。

レントゲン撮影とMRI撮影

通常はレントゲン撮影とMRI撮影が実施されます。
MRIでは、陳旧性骨折なのか、新鮮骨折なのかの診断ができます。(脊柱その2「脊椎の圧迫骨折」でお書きしました。)

交通事故による脊柱の破裂骨折があったほとんどの場合、緊急手術による固定が行われます。

経皮的椎体形成術

脊椎の破裂骨折における後遺障害のポイント

1)脊椎の破裂骨折が起きたとき、多くの場合、受傷直後に緊急的に固定術が施されます。

固定術が行われたことから、11級7号は、ほぼ確実に認定されると思われます。
ですが、それにとどまらず、著しい変形(6級5号)に当たらないか、中程度の変形(8級2号)に当たらないかの検討を、画像を見ながら行う必要があります。
また、脊柱の運動障害の有無も検討しなければなりません。

2)脊椎の破裂骨折が起きて固定手術が行われたとき、その固定手術は、受傷直後に行われたということが多いです。この場合は、脊髄損傷を最小限にする目的があったと考えられます。

脊髄を早期に開放する必要があるからこそ、医師は緊急的に固定術を実施したと考えられます。

手術により脊髄を開放しても、脊髄は一度損傷したことから、脊髄症状が残ることがあります。固定術後の被害者に、上肢や下肢の麻痺、痺れ、疼痛や排尿障害など、重い脊髄症状が残存していれば、神経系統の機能障害での等級認定を考慮しなければなりません。
9級10号、7級4号、5級2号が考えられます。残った障害の程度によります。
膀胱機能障害は、併合の対象となります。

脊髄症状が残存したときには、後遺障害の立証のため、後遺障害診断書に加え、「脊髄症状判定用」 の用紙を医師に提出し、運動機能(肩・肘機能、手指機能、下肢機能)、知覚機能(上肢・下肢・体幹)、膀胱機能、日常生活活動能力または労働能力に関する医師の意見について、検査と結果の記載を依頼することとなります。
排尿障害は、ウロダイナミクス検査で立証することになります。