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交通事故知識ガイド賠償額にかかわる「赤い本」と「青い本」

逸失利益・事業所得者について

赤い本(逸失利益・事業所得者)

自営業者、自由業者、農林水産業などについては申告所得を参考にするが、同申告額と実収入額が異なる場合には、立証があれば実収入額を基礎とする。
所得が資本利得や家族の労働などの総体の上で形成されている場合には、所得に対する本人の寄与部分の割合によって算定する。
現実収入が平均以下の場合、平均賃金が得られる蓋然性があれば男女別の賃金センサスによる。現実収入の証明が困難なときは各種統計資料による場合もある。

青い本(逸失利益・事業所得者)

基礎収入額は、通常、事故前年の確定申告所得額によって認定する。

自賠責

独自の基準有り(省略)

解説

(1)青色申告控除がなされている場合には、同控除額を引く前の金額と基礎とします。

(2)事業開始直後間もないときに受傷した場合には、事故時の実績があまりない時点での収入額で算定を行うのは不適切なことが多いです。賃金センサスなどを参考に適切な金額を認定することになります。

(3)確定申告を上回る収入(所得)があったとする主張が裁判所で認められることは容易なことではありません。逆に、経費の水増しの主張についても裁判所で認められることは容易ではありません。

(4)申告額の収入では生活を維持するのが難しいような場合には、確定申告額を上回る収入を認定する例が多いです。

(5)無申告の場合であっても相当の収入があったと認められるときは賃金センサスの平均賃金額などを参考に適宜基礎収入額を認定する例が多いです。

(6)無免許事業、その他違法就労については、事業・業務内容が公序良俗に反しない限り逸失利益が認められますが、その確実性・継続性の点を考慮した認定がなされます。

事例

(1)年間所得を134万円余と申告していた土木請負業者(男性・固定時41歳)につき、常時雇用していた従業員を7名、日雇いの従業員を数名雇っていたこと、申告売上高が5,517万円であったこと、生活レベル等から、申告所得額によらず、賃金センサス男性学歴計年齢別平均の80%である527万8,080円が基礎と認められた。

(2)症状固定時50歳、男性、鉄骨業につき、確定申告をしていないが、年間売上や従業員への支払い給与額から、賃金センサス(男性・学歴計・全年齢)平均賃金で算定された。