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自賠責保険の仮渡金とはなんですか。どうすれば貰えますか?

2019年07月19日

自賠責保険の仮渡金とはなんですか。どうすれば貰えますか?


仮渡金とは、示談が成立する前の段階で自賠責保険から支給してもらえるお金です。交通事故後、被害者にはさしあたっての費用が必要なので仮渡金を請求できます。ただし後に示談する際には示談金から控除されます。支払いを受けるには、自賠責保険や共済に「被害者請求」という方法で直接請求する必要があります。


交通事故 : 仮渡金


◆仮渡金とは


自賠責保険には「仮渡金」という制度があります。これは交通事故の示談が成立する前の段階で、自賠責からさしあたっての費用を支給してもらえるものです。


交通事故に遭った被害者は、治療費や葬儀費用などいろいろな費用を必要とします。ところが賠償金は示談が成立したときにまとめて支払われるので、それまでの間は自力でお金を用意しなければなりません。


事故に遭うと働けなくなって減収が発生する方も多いですし、死亡すると収入はなくなります。葬儀や治療で高額な費用がかかる場合などには、取り急ぎ必要なお金が足りなくなるケースも多々あります。


そこで自賠責からさしあたって被害者や遺族に必要なお金を支給するのが、仮渡金制度の目的です。


仮渡金の金額は、以下の通りです。



受け取れるのは1回のみであり、何度も請求することはできません。


また仮渡金として受け取った金額は、後に示談するときに賠償金から差し引かれます。仮渡金の分、受けとれる金額が増えることはありません。




◆仮渡金の請求方法


仮渡金を受けとりたい場合には、自賠責保険や共済に対して直接保険金の請求を行います。これを「被害者請求」と言います。


被害者請求するには、相手の「自賠責保険」の会社を調べてそちらに連絡を入れなければなりません。


自賠責保険会社はいつも話をしている任意保険会社とは異なるので、事故証明書などをみて確認しましょう。保険金請求用の書類一式を送ってもらったら、必要書類を集めたり作成したりします。


仮渡金請求には、以下のような書類が必要です。



こうした書類をまとめて自賠責保険に送付すると、特に問題がない場合は、1週間から10日程度で指定した口座へ仮渡金が振り込まれます。




仮渡金を受けとっても賠償金が全体として上がるわけではありませんし、手続きにも手間がかかるので、軽傷の場合などにはあまり請求するメリットがありません。


一方死亡事故のケースではそれなりに多額の金額が支給されるので、葬儀費用が足りないときなどに大きなメリットを得られます。


弁護士が手続代行することも可能ですので、お気軽にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


労働能力喪失率に納得がいきません。裁判をしたら結果は変わりますか?

2019年07月17日

労働能力喪失率に納得がいきません。裁判をしたら結果は変わりますか?


必ずではありませんが、変わる可能性があります。


交通事故 : 労働能力喪失率


◆労働能力喪失率は後遺障害の等級によって定まる


交通事故で後遺障害が残ったら「逸失利益」という賠償金を請求できます。


逸失利益とは後遺障害で思うように働けなくなったことによる減収分の損害です。


逸失利益は等級ごとに定まる「労働能力喪失率」を基準にして計算します。等級が高くなるほど労働能力喪失率が高くなるので逸失利益も高額になります。


【等級ごとの労働能力喪失率】





◆相手の保険会社の言い分に納得できない場合が多い


被害者が保険会社と示談交渉を進める際、保険会社側の主張する労働能力喪失率に納得できないケースが多々あります。


保険会社は「実際には労働能力がそれほど減少していない」として、自賠責の定める基準の労働能力喪失率より低めの主張をしてくることがあるためです。ときには逸失利益自体を否定してくるケースもあります。




◆裁判をすると、実態に即した判断が行われる


保険会社の言い分に納得できないとき、裁判をすると労働能力喪失率を適正に認定してもらえる可能性があります。裁判所は自賠責の認定基準に必ずしもとらわれず実態に即して労働能力を算定するからです。


ただし必ずしも労働能力喪失率を上げてもらえるとは限りません。後遺障害の種類や状態によっては、自賠責の基準より低くなる可能性もあります。




◆裁判によって労働能力喪失率が変更された事例


東京地裁平成18年3月2日

被害者が高次脳機能障害や嗅覚障害、醜状障害となって併合3級となった事例です。


保険会社側は労働能力喪失率を79%と主張しましたが、裁判所は92%の労働能力喪失率を認めました。被害者がガラス工房勤務であったことから嗅覚障害や醜状障害は労働能力喪失率に影響しないとしつつも、高次脳機能障害が重大な影響を及ぼしていると判断したためです。


東京地裁判平成12年5月16日

被害者に脊髄ショックを伴う頸髄損傷や左半身不全麻痺などの後遺障害が残った事例です。


保険会社側は、「被害者には頸髄損傷が生じていない」と主張し、被害者が収入を得ていることも理由として労働能力喪失率を争いました。


裁判所は被害者の頸髄の不全損傷を認定しましたが、被害者が継続して収入を得ていることなどを考慮して後遺障害を5級2号相当と判断し、労働能力喪失率を70%と認定しました。




保険会社から低い労働能力喪失率を主張されていても、裁判をすれば覆せる可能性があります。疑問や不満をお持ちの場合には、一人で悩まずに弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


海外で交通事故を起こされてしまいました。治療は日本でしたのですが後遺傷害が残りました。賠償手続きはどうすれば良いのでしょうか?

2019年07月16日

海外で交通事故を起こされてしまいました。治療は日本でしたのですが後遺傷害が残りました。賠償手続きはどうすれば良いのでしょうか?


海外で交通事故に遭った場合、基本的に現地の法律にもとづいて賠償金の請求を行う必要があります。現地の法制度に詳しい現地の弁護士に相談して賠償請求を進める必要があるでしょう。ただし相手が日本人の場合など、お互いに話し合いによって日本の法律に従うことに合意すれば日本の法律に従って取り決めることが可能です。


交通事故 : 海外


◆どこの国の法律が適用されるのか


交通事故が起こったとき、相手に損害賠償請求を進めるには「どこの法律が適用されるのか」が重要なポイントになります。


交通事故によって発生する賠償金の種類や計算方法、請求方法は、各国の法律によって異なる可能性があるためです。


このように、国際的な問題において「どの国の法律を適用するか」を「準拠法」と言いますが、準拠法は「法の適用に関する通則法」という法律によって定められています。


交通事故は「不法行為」の1種ですから、不法行為に関するルールが適用されます。


そして法の適用に関する通則法は、不法行為に関するトラブルについて、原則的には「不法行為が行われた土地」の法律を適用すると定めています。


よって海外で交通事故に遭った場合には、現地の法律によって賠償手続きを進めることになります。




◆どこの国の裁判所で判断をしてもらうのか


海外で交通事故に遭い、加害者と話し合いをしても解決できない場合には訴訟が必要です。その場合「どこの裁判所で裁判を起こすべきか」が問題です。


これを「国際裁判管轄」と言います。不法行為における国際裁判管轄は、基本的に「不法行為がおこなわれた土地」や「結果が発生した土地」とされています。


そこで海外で交通事故が起こったときには、基本的に現地の裁判所で訴訟を起こさねばなりません。


以上より、海外で交通事故に遭ったときには、現地の法律に従って賠償金請求を進めなければなりませんし、裁判も現地の裁判所で起こす必要があります。


そこで、詳しい現地の弁護士に対応を相談して任せるのが良いでしょう。加害者が保険に入っていれば、保険会社と話をすることになるケースもありますが、それについても現地の自動車保険のサービスの内容によって異なってきます。




◆当事者同士で準拠法や管轄を決めることは可能


ただし準拠法や裁判管轄は、当事者同士の話し合いによって変更することも可能です。


加害者が日本人であれば、日本法を適用する方がお互いに簡便です。そこで海外で交通事故に遭った場合でも、加害者が日本人であれば日本の法律を適用して賠償金を計算し、示談を進めることが可能です。




外国で交通事故に遭うと、困難な問題が多数発生するものです。お困りであれば、一度弁護士までご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


交通事故の加害者が外国人でした。賠償上何らかの影響がありますか?

2019年07月12日

交通事故の加害者が外国人でした。賠償上何らかの影響がありますか?


相手が外国人だからといって賠償金が法的に減額されることはありませんが、事実上請求が困難になる可能性があります。


交通事故 : 生命保険


◆相手が外国人でも賠償責任は変わらない


相手が外国人であっても、日本国内で交通事故が起こった場合には日本の法律が適用されます。


相手に故意や過失があれば民法上の不法行為責任が発生しますし運行供用者責任も発生します。賠償金が減額されたり増額されたりすることもなく、通常の計算方法で損害賠償金を払ってもらえます。




◆相手が外国人であるが故の問題


ただし相手が外国人の場合、以下のような問題が発生する可能性があります。


相手が帰国してしまう

相手が短期滞在の外国人の場合には、事故後早々に自国に帰国してしまう可能性があります。


帰国されたからと言って請求ができなくなるわけではありませんが、外国の住所を突き止めて裁判を起こさねばならず、大変な労力がかかります。また判決が出ても賠償金を払ってもらえないリスクが高まります。


相手が無保険

相手が日本に定住していない外国人の場合、任意保険に加入していない可能性も高いでしょう。すると加害者本人に直接賠償金を請求するしかなくなります。


言葉も通じないような相手なら意思疎通すら困難となり、賠償金についての話し合いを進めるのは相当難しくなります。


相手が無資格(運転免許を有していない)

外国人は、本国で運転免許を取得していても必ずしも日本で運転して良いわけではありません。


ジュネーブ条約にもとづいた国際運転免許を取得している場合、スイスなどの一定の国の運転免許証とその翻訳文を持っている場合以外は日本で教習所に通って日本の運転免許を取得しないと運転が認められません。


しかし、中には無資格で車を運転している外国人がいます。


レンタカー会社も、きちんと審査をせずに無資格(日本では通用しない免許を持っている場合など)の外国人に車を貸してしまうケースもあります。


その場合、事故が起こったら保険が適用されないので、外国人本人に賠償金を請求するしかありません。相手に資力がなかったり、相手が旅行者ですぐに本国に帰ってしまったりしたら、請求が極めて困難になります。




外国人が加害者の場合、相手の身元とビザの種類、保険に入っているかどうかを確認して、短期滞在などのケースでは早急に賠償金請求手続を行って示談をまとめる必要があります。


外国人に交通事故を起こされてお困りの場合、お早めに弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


死亡事故についての質問です。事故後に生命保険金が私に入りました。このことは事故の賠償になにか影響を与えますか?

2019年07月11日

死亡事故についての質問です。事故後に生命保険金が私に入りました。このことは事故の賠償になにか影響を与えますか?


影響を与えません。生命保険金は、払い込まれた保険料の対価として支払われるものであり、交通事故を原因とするものとは異なると考えられています。そこで「損益相殺」の対象にならず、賠償金は減額されません。


交通事故 : 生命保険


◆損益相殺とは


死亡事故の被害者が「生命保険」に加入している場合、受取人に指定されている親族は生命保険金を受け取れます。


すると問題になるのが「損益相殺」です。損益相殺とは、不法行為の被害者が不法行為によって「利益」を受けたとき、その利益の分を交通事故の損害賠償金から差し引く考え方です。


交通事故で損害が発生したらその損害を加害者に請求できますが、片や交通事故で利益を受けたなら、その利益については請求金額から差し引くのが公平という考え方です。


たとえば健康保険から傷病手当金を受けとった場合や労災から各種の給付を受けとった場合、自賠責から保険金を受けとった場合などには、損益相殺によって加害者に請求できる賠償金額から減額されます。




◆生命保険金と損益相殺


死亡事故で生命保険金を受けとったとき、被害者の遺族は「交通事故によって生命保険金を受けとったのだから利益を得た」として、生命保険金の分を損益相殺されるのでしょうか?


裁判所は、生命保険金は損益相殺の対象にならないと考えています。生命保険金は、払い込んだ保険料の対価であり事故とは無関係に支払われるものだからです(最高裁昭和39年9月25日)。


生命保険には「傷害給付金」や「入院給付金」など各種の給付金特約がついているケースもありますが、こういった給付金についてもやはり「保険料の対価」としての性質を重視して、損益相殺の対象にならないと判断されています(最高裁昭和55年5月1日)。


同じように、けがをしたり病気をしたりしたときに一定額の保険金が支払われる「傷害疾病定額保険契約」においても、やはり支払われた保険金が損益相殺の対象になりません。自動車保険の搭乗者傷害保険も損益相殺されません。


交通事故では、何が損益相殺の対象になり何が対象にならないのか、判断の分かれ目が難しいケースがあります。


同じ「保険」と名がつくものでも、損益相殺されるものとされないものがあり、たとえば労災の場合、一般の給付金は損益相殺されますが「特別支給金」は損益相殺されません。




損益相殺については複雑でわかりにくいことが多いので、迷われたら弁護士にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


高次脳機能障害の記憶障害でタイマーが活躍

2019年07月10日

高次脳機能障害の記憶障害でタイマーが活躍


高次脳機能障害で記憶障害になりましたが、タイマーにメモを貼ってアラームが鳴ったらメモを読むようにして記憶を呼び起こしています。


交通事故 : 高次脳機能障害


◆新しいことが覚えられない


私はとても忘れっぽい性格です。交通事故に遭う前はそうでもなかったのですが、自転車に乗っていて車にはねられ、頭を打ってから忘れっぽくなりました。


お医者さんは、高次脳機能障害という病気だと言います。脳の組織の一部が傷ついたために、最近のできごとが覚えられなくなったのだそうです。


そういえば、小学校の同級生の名前や、高校の文化祭でのできごとなどは覚えています。でも、事故の後は、新しいことを覚えられません。


漫画を読んでも、ストーリーをすぐ忘れてしまうので、何度読んでも、初めて読むような気になります。


困るのは、友達と約束をしても、覚えていられないことです。電話で、明日午前12時に駅前の広場で待ち合わせしてお昼ご飯を食べようと誘われます。


覚えておく自信がないので、メモ用紙に日にち、時間、場所を書いて壁に貼っておきますが、約束を覚えていないだけでなく、メモを壁に貼ったことも忘れています。


その結果、約束を守れず、友達を怒らせてしまうのです。




◆メモが役に立たないのでタイマーを使う


私の症状は、高次脳機能障害で記憶障害という後遺症だと主治医に言われています。


リハビリテーションに通っているのですが、高次脳機能障害は完全に元通りになるのはむずかしい病気だと言われています。


ただ、リハビリテーションでいろいろなヒントをくれます。メモを残すこともその一つでした。


でも、メモを書いても、書いたことを忘れては役に立ちません。メモを書いてもだめですとリハビリテーション担当の作業療法士さんに言うと、では、タイマーをつかってみてはどうですか?と提案されました。


たとえば、明日11時に友達と待ち合わせたとします。


現在時刻から明日の約束の時間まで何時間あるかを逆算して、タイマーをセットするのです。待ち合わせ場所まで30分かかるとしたら、その時間もプラスします。


そして、タイマーに○○さんと駅前広場で午前11時待ちあわせというメモを貼っておくのです。アラームが鳴ったら家を出る時刻、どこで誰を会うのかも、タイマーに貼ってあるメモで一目瞭然です。


現在、私はタイマーを3個持っています。2つ以上約束があったら、2つのタイマーにそれぞれの時間をセットして、約束の内容を書いたメモを貼ります。


タイマーを使うようになってから、大事な約束を忘れません。


高次脳機能障害で物覚えが悪いと悩まなくなって、気持ちが楽になりました。


(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)


夫が怒りっぽいのは高次脳機能障害のためだった

2019年07月08日

夫が怒りっぽいのは高次脳機能障害のためだった


温厚な性格の夫が、事故で頭を打った後で急に怒りっぽくなったのは、高次脳機能障害による後遺症のためでした。


交通事故 : 高次脳機能障害


◆交通事故のあと人が変わった


温厚で思いやりのある夫と恋愛結婚しましたが、交通事故に遭ってからというもの、別人になったかと思うくらい性格が変わってしまいました。


事故に遭ったのは2カ月前で、夫が休日に本屋に行くと言ってでかけて、駅前の交差点で左折車にはねられたのです。頭を打ったことと、足の骨折で、1カ月入院しました。


頭は、検査の結果、高次脳機能障害と診断され、リハビリテーションが必要と言われました。


私も夫も、足の骨折ばかり気にしていて、脳の損傷がそんなに重大な病気を引き起こすなどとは夢にも思っていませんでした。それに、夫は、意識はしっかりしているし、会話も普通にできるし、記憶力も衰えていません。


高次脳機能障害といっても、夫はごく軽い方なのだろう、リハビリテーションは念のために行うくらいの気持ちで通えばいい・・そう思っていました。


夫は、退院後、すぐに会社に戻り、以前と変わらず働いています。骨折した足は元通りに動くし、リハビリテーションは会社が休みの土曜日に通っているから仕事に支障はありません。


何もかも順調そうに見えたのですが、私は気付いたのです、夫の性格が激変したことに・・


まず、何かを待つということができません。一緒に外出することになって私が服装を整えているとき、夫が先に玄関に立ち、遅い!なんてのろまなんだ、と大声でどなるのです。


夕飯の支度は、夫が帰宅した時にテーブルに並んでいないと怒ります。ともかく起きているあいだ、常にイライラしている感じです。


一日に5回も10回も怒鳴られて、気が滅入る毎日でした。




◆夫のリハビリテーションに同行した


思い起こせば、夫の性格が変化したのは、事故の後です。高次脳機能障害で性格が変わるという話は聞いていませんでしたが、タイミングとしてはぴったり合います。


私は、夫の通院リハビリテーションに同行することにしました。夫は嫌がりましたが、リハビリテーションの後で一緒に外食することを口実に、無理やり付いていきました。


そして、主治医に面談を申し込み、夫が聞いていない別室で、性格が変わって怒りっぽくなったこと、毎日怒られ続けて気分が落ち込んでいることなどを話しました。


高次脳機能障害の後遺症として、気分のコントロールがうまくできないことがあると知り、驚いたものの、原因がわかってほっとしました。


夫は、脳を怪我したことが原因で怒りっぽくなっていたので、人格そのものが変わったわけではなかったのです。


今後、感情をコントロールする訓練を高次脳機能障害のリハビリテーションに取り入れることや、経過を見ながら、場合によっては薬を処方するとのことで、治療の方針が見えて気持ちが楽になりました。


(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)


高次脳機能障害の治療中に交通事故の示談の提案があった

2019年07月05日

高次脳機能障害の治療中に交通事故の示談の提案があった


交通事故による高次脳機能障害で後遺症が出たためリハビリテーション中に交通事故の示談を提案されたが、すぐには応じず、障害等級認定を受けてから示談を始めました。


交通事故 : 高次脳機能障害


(25歳会社員 男性)


◆事故の後1週間意識が戻らなかった


歩行中に乗用車にぶつかり、転んで頭を強く打ちました。交通事故直後の記憶はありません。なぜなら、事故に遭ってから1週間、意識が戻らなかったからです。


意識がない間、病院で徹底的に脳の検査をしたと後から知りました。レントゲン、MRI、CT、脳波などの検査をした結果、脳挫傷と診断されました。


意識が戻ったのは本当に幸運でした。病室から出て院内を歩く歩行練習を少しずつ始め、体が動くことの喜びを実感しました。


でも、言葉がスムーズに出てこない失語症、最近あったことを覚えていられない記憶障害などの症状が現れたのです。


医師からは、高次脳機能障害という病気の後遺症で、完治は難しいと告げられました。


脳細胞は、いったん壊れると再生しないので、事故で傷付いた脳の組織はそのままの状態だということです。


意識が戻ったのは幸いでしたが、生きている間、高次脳機能障害の後遺症が残る体で生きていかなければならないと思うと憂鬱でした。




◆示談を受けるべきかどうか悩む


事故から2カ月で退院して、通院リハビリテーションをするようになった頃、事故の加害者側から示談を始めたいという連絡がありました。


仕事を休んで収入が途絶えているし、今後かかるであろう治療費のことを考えると、示談を受けて現金を手に入れた方が良いような気がしました。


友達に相談したくても、高次脳機能障害について知識を持っている人はおらず、自分で判断するしかありませんが、後遺症が残るということは障害者として認定されるのでは?という疑問を持ちました。


リハビリテーションに通院している病院で、高次脳機能障害は障害者として認定されるかどうか質問すると、障害者等級の認定を受けると受けないでは、示談交渉で提示する金額が大きく変わってくると言われました。


結論から言うと、私は、示談を持ちかけられてもすぐにはOKしませんでした。そして、主治医と相談して、障害等級認定の手続きを進めることにしたのです。


手続きに時間がかかることを見越して、自動車保険の担当者には、高次脳機能障害による後遺症の治療中なので、当分示談の開始には応じられないと伝えました。


後遺症の症状がこれ以上進行しないし、治療をしても良くならないと診断されてから障害等級申請、そして後遺障害が認められ、示談を開始する準備が整ったのは、事故に遭ってから半年後でした。


示談開始を早まらなかったことで、後遺障害にともなう慰謝料などが上乗せされ、思ったより多い金額の保険金を受けとることができました。


(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)


交通事故の示談の直前に高次脳機能障害とわかった

2019年07月03日

交通事故の示談の直前に高次脳機能障害とわかった


交通事故で頭を打ったが軽く考えていて、高次脳機能障害と気付かず、もう少しで示談を始めるところでした。


交通事故 : 高次脳機能障害


(30歳 主婦)


◆子どもと一緒に交通事故に遭ったので自分の怪我は後回し


子ども(3歳男児)を自転車の後ろに乗せて保育園へ送って行く途中で、車にはねられて転びました。子どもに幼児用ヘルメットを付けていて、本当によかったです。


ヘルメットのおかげで子どもの頭は守られましたが、半袖半ズボンだったので肌が露出しており、手足をすりむいて血だらけです。


私はというと、自転車が倒れた時に頭を道路に叩きつけられました。でも、子どもが血を流して泣いているのを見ると、自分が転んで頭を打ったことなど後回し、子どもの怪我を早く手当てしてほしいという気持ちで一杯でした。


子どもは病院に運ばれて、念のため骨折していないかなどの診察を受けましたが、全治1週間の擦り傷ということで、一安心しました。


私は、その時、頭を打ったことを思い出しましたが、子どもの世話で手一杯で、自分は何も検査を受けずに病院を後にしました。


本当はその時、高次脳機能障害の可能性を考えて私自身、脳組織の検査を受けるべきだったと後から知りました。




◆示談を始めたいという催促が来た


事故の加害者から、自動車保険の担当者と話し合うことになるのでよろしくお願いしますと言っていました。いわゆる示談の開始を促してきたわけです。


子どもの怪我は1週間できれいに治って通院は終わっているし、示談を済ませて慰謝料をもらいたいというのが本音でした。


示談開始を承諾しようとしたその矢先、夫が私の家事の仕方が変わったと言い出しました。


いつも家の中をきれいにしていたのにだらしなく散らかっているし掃除をしない、買い置きがあるのにティッシュやトイレットペーパーをどっさり買ってくる、等々、私の家事のしかたを責めるのです。


実は・・と、事故で頭を打ったが検査を受けていないことを話すと、すぐに専門病院で検査を受けるべきだと主張しました。


私は、以前と同じように家事をしているつもりでしたが、言われてみると思い当たることがありました。スーパーに行ってティッシュやトイレットペーパーの陳列棚を見ると、家に買い置きがあったかどうか思い出せず、ないと困るからと買ってしまいます。


ていねいに掃除をする気になれず、めだつゴミがなければ掃除機をかけなくてもかまわない、洗濯ものはたたまなくてもすぐ着るからそのままにしておこう・・


高次脳機能障害という病名がわかってから知ったのですが、この病気の後遺症の一つで、ものごとの手順を考えて実行するのが苦手になることがあるのですね。


自動車保険の担当者には、頭部打撲の治療があるので示談は始められないと伝えました。


あの時、示談で加害者と和解していたら、高次脳機能障害の治療はすべて自費になっていたかもしれません。


頭を打った人が全員高次脳機能障害になるとは限りませんが、心配を打ち消すためにも、精密検査を積極的に受けるべきだと思います。


(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)


交通事故で目立つ怪我がなかったので高次脳機能障害に気付かなかった

2019年07月01日

交通事故で目立つ怪我がなかったので高次脳機能障害に気付かなかった


交通事故で目立つ外傷がないと軽傷と考えがちですが、頭部を打っていると高次脳機能障害を発症している可能性があります。


交通事故 : 高次脳機能障害


(28歳会社員 男性)


◆目立つ怪我がないので安心していた


私は、休日に趣味のロードバイクに乗って走っている時に、乗用車と接触して頭を打つ交通事故に遭いました。


自転車用ヘルメットをかぶっていたおかげで目立つ怪我がないので、大した事故ではないとたかをくくっていました。


ただ、救急病院で、脳の組織に少し気になる影があるから専門病院で精密検査を受けることを勧められました。


その時は、高次脳機能障害という病名すらまったく知りませんでした。


事故が原因で脳に傷が付き、高次脳機能障害を発症していたことを知ったのは、ずっと後になってからでした。




◆事故の後で忘れっぽくなった


目立つ怪我はないので、仕事を3日ほど休んでから職場に復帰しました。


暇ができたら脳の精密検査を受けようと思いながらも、仕事の忙しさを口実になかなか通院する気になれません。なにしろ、自覚症状がないのですから、病院に行くモチベーションが上がりません。


一方、その頃からだんだん仕事でミスが増えるようになってきました。


会議の日時を忘れて外回りにでかけたり、顧客訪問の約束があるのに約束した時間に訪問しなかったり、周囲に迷惑をかけるし、上司から叱責も受けました。


自分では普通に働いているつもりだし、事故の前と後で自分の体が変わったようには思いませんが、事故で頭を打つ前は、こんなに忘れっぽくありませんでした。


やっぱり、脳の検査を受けよう・・と決心し、脳神経外科を受診したのは、事故から1カ月以上経ってからでした。




◆脳神経外科で告げられた病名


病院で告げられたのは高次脳機能障害という病名でした。


脳の組織が壊れて、以前できたことができなくなる病気で、脳細胞は復元できないが、リハビリテーションを行うことによって、脳が新たに学習して、少しずつ元の状態に近づけることが可能とのことです。


もちろん、記憶力が回復して仕事のミスが減るならリハビリテーションをやり遂げる決意を持ちました。


ただ、問題は、病名が確定してリハビリテーションを始めるまでに1カ月以上経過していることでした。


高次脳機能障害は、リハビリテーションを早く始めるほど、良い効果を得やすいとのことでした。


私は、忙しさにかまけて精密検査を受けなかったことを心から悔やみました。


私は、会社に診断書を提出し、週に2回リハビリテーションに通院してから出勤する許可を得ました。


あの時、専門病院を受診していなかったら、もっと症状が悪化していたかもしれない・・と思うとぞっとします。


頭の怪我は甘く見ないで精密検査を受けるべきだという教訓が残りました。


(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)


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プロフィール
よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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