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民法改正に伴い損害賠償のルールが変わります(法定利率)

2020年03月26日

2020年4月1日から、いよいよ債権法分野における改正民法が施行されます。
同改正により交通事故の分野でも、損害賠償額の算定のルールが大きく変わることになります。
ここでは、改正のポイントの一つ、法定利率に関してご説明させていただきます。



1 改正の概要


法定利率とは当事者の取り決めがない場合に適用される法定の利率のことです。従来の民法において法定利率は年5%と規定されていました。


もっとも、この利率については現在の金融市場の実態に比べて高すぎるという指摘がありました。


そこで、改正民法では、法定利率を年3%に引き下げることになりました。また同利率について変動制が導入され、将来の市中金利の変動に伴い、一定の指標を基準として3年ごとに自動的に変動し得ることとされました(改正民法404条)。


この法定利率の引き下げは、交通事故実務において、@遅延損害金A逸失利益の算定に大きな影響を及ぼします。




2 遅延損害金


交通事故被害者は、事故による損害賠償請求権(元本)に加えて、事故があった日から支払日まで遅延損害金を付加して支払えと請求することができます。これは、法律上、交通事故による損害賠償請求権(不法行為債権)は、事故があったそのときに支払うべきものとみなされ、不法行為時に直ちに遅滞に陥るものとされているためです。



遅延損害金は法定利率によって計算されますので、被害者にとっては、法定利率が高いほど、遅延損害金が多くなり有利であると言えます。



例えば、交通事故により、1億円の損害賠償請求権が発生し、支払日まで2年を要した場合、従来の民法の規定によれば、被害者は遅延損害金として1,000万円を請求することが出来ます。



一方で、改正民法の規定によれば、被害者は遅延損害金として600万円を請求することが出来ます。



なお、いずれの規定を採用するかという点に関しては、事故発生時の法律の規定に基づくものとされています。


例)・2020年4月1日より前に発生した場合の遅延損害金(従来民法)1億円×5%✕2年=1,000万円 ・2020年4月1日以降に発生した場合の遅延損害金(改正民法)1億円×3%✕2年=600万円


→改正により金額が減少する。


3 逸失利益


例えば不幸にも事故により亡くなってしまった場合、事故がなければ得られるはずの利益(給料収入や年金であることが多いです)を請求することが出来ます。これを法律上、逸失利益といいます。

逸失利益は、毎月お給料や年金が支払われたはずのタイミングで受け取るのではなく、示談等をした際に一括して賠償されます。そうすると将来受け取るべき金額を一括して先に受け取ることになりますので、法定利息分を控除して支払われるルールになっています。これを中間利息控除といいます。


被害者にとっては、法定利率が低いほど、控除される金額が少なくなり有利であると言えます。



例えば22歳の独身サラリーマンが死亡した場合の逸失利益についてみてみましょう。


現行法(法定利率年5%)で算定すると金額は約5,944万円になります。


一方で改正法(法定利率年3%)で算定するとこの金額が約8,200万円になります。


なお、いずれの規定を採用するかという点に関しては、遅延損害金と同様に、事故発生時の法律の規定に基づくものとされています。


例)・2020年4月1日より前に発生した場合の逸失利益(従来民法)6,689,300円×(1-50%)×17.7741年(45年に対応するライプニッツ係数)=約5944万 ・2020年4月1日以降に発生した場合の逸失利益(改正民法)6,689,300円×(1-50%)×24.7754年(45年に対応するライプニッツ係数)=約8200万


→改正により金額が増加する。
※同算定にあたり就労可能年数は67歳まで(45年間)、生活費控除率は50%、基礎収入は平成30年賃金センサス大卒男子全年齢平均を採用


4 まとめ


今回の法定利率に関する規定は、被害者にとってメリット、デメリットあるものですが、実務上遅延損害金が付加されるのは訴訟等の場合に限られることが多いことを考えると、多くの交通事故被害者にとってはメリットの方が大きい可能性が高いといえそうです。


なお、法定利率は3年ごとに自動的に変動し得るものとされているため、今後も注意が必要です。


法務省からも民法改正と交通事故に関するパンフレット(pdf)が配布されておりますので併せてご参照ください。


(文責:弁護士 粟津 正博


私は一人会社の代表を務めています。交通事故の影響で仕事を休まざるを得なかったため、休業損害を請求したいのですが、相手保険会社から役員であることを理由に休業損害の支払いを拒まれました。私が休んでいた間会社は営業が出来ず相当の損害が発生しています。会社の損害は賠償されないのでしょうか?

2020年03月19日

私は一人会社の代表を務めています。交通事故の影響で仕事を休まざるを得なかったため、休業損害を請求したいのですが、相手保険会社から役員であることを理由に休業損害の支払いを拒まれました。私が休んでいた間会社は営業が出来ず相当の損害が発生しています。会社の損害は賠償されないのでしょうか?


会社代表者が交通事故に遭った場合の「会社の損失」は、基本的には賠償されません。ただし完全な一人会社で代表者が会社と経済的に一体となっており、個人事業と異ならない状況であれば、本人が働けないことが会社の利益減少に直結すると認められます。そういったケースでは、会社が得られなくなった利益を相手に請求できる可能性があります。


交通事故により生じた会社の損失


◆会社代表者のけがによって会社に発生した損害は賠償の範囲に入らない


会社の代表者や役員、従業員などが交通事故に遭った場合、それらの被害者が会社の仕事をできなくなって会社の営業利益が減少するケースがあります。


このような場合の会社の損害を「間接損害」と言いますが、間接損害を事故の相手に請求できるのでしょうか?


間接損害については、2つに分類可能です。


1つは会社が当該役員や代表者、従業員に「給料」を払った場合の損失です。この種の間接損害を「反射損害」とも言います。


特に従業員の場合、実際には働いてもらっていないのに給料を払ったことは会社にとって損害といえるので、給料の支払い額(反射損害)については加害者に請求できると考えられています。


もう1つは、経営者が働けなかったことによる「利益の低下分」の損害です。経営者や役員がきっちり働けたらもっと収益を得られたはずなのに、代表がいなかったことによって利益を上げられなかったために発生した損失です。


この種の間接損害については、当然には交通事故との因果関係が認められず、原則として加害者へ請求できないというのが裁判所の考え方です。




◆間接損害を加害者に請求できるケース


ただし「会社」とは言っても実情はさまざまです。中には一人会社で個人事業と変わらない場合もあるでしょう。


そのような法人では、経営者がけがをしたら即営業活動を全部停止せざるを得ず、会社に大きな損害が発生することが明らかです。


そこで裁判でも、「法人とは名ばかりの個人会社で、実権が経営者個人に集中して代替性がなく、経済的に経営者と会社が一体となっている」場合には経営者個人がけがをして働けなかったことによる利益低下分を加害者に請求することが可能と判断されています(最高裁昭和43年11月15日)。


そこで本件のように、一人会社の代表者が交通事故で仕事をできなくなり、会社に大きな損失が発生した場合には、加害者へ損害賠償請求できる可能性が高いと考えられます。




交通事故の損害賠償金の計算方法がわからない場合、お気軽に弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


2020年4月から東京都で自転車保険の加入が義務化されます。千葉の自転車保険加入の義務は・・・!?

2020年02月25日
自転車保険の加入義務

皆様は自転車に乗る際、賠償責任保険に加入されていますでしょうか。

全国的には自転車関連の事故は減っているものの、千葉県内においては、千葉県警察発表の千葉県の自転車の交通事故発生状況報告を見ても分かる通り、自転車事故が増加傾向にあります。

街中を歩いていても、自転車と接触しそうになり危険を感じたことがあるのではないでしょうか。

2020年4月から東京都の条例が施行され、自転車保険の加入が義務化されます。

一方で、千葉県でも関連条例は制定されているものの、自転車保険加入は「義務」ではなく「努力義務」となっています(令和2年2月現在)。



自転車保険の義務化とは


自転車保険義務化の契機となったのは、2008年に小学生が歩行中の高齢女性に自転車で衝突してしまい、神戸地方裁判所が小学生の保護者に約9,500万円の支払いを命じた事件がきっかけでした。以降、兵庫県が全国で初めて自転車保険加入を義務付ける条例を制定し、現在では国土交通省も全国の自治体に自転車保険の加入を義務付ける条例の制定を促しています。


このような流れを受けて、東京都では自転車保険の加入を義務付ける条例が制定され、今年春からいよいよ施行されることになっています。東京都においては従来自転車保険加入については「努力義務」でしたが、平成30年度の調査によると、加入率は53.5%と低水準で推移していたそうです。



自転車保険加入の意味


先の裁判例のように、自転車といえども生身の身体に衝突すると大きな怪我を負わせる危険性があります。また、自転車対歩行者の事故では、交通弱者保護の観点から自転車に大きな過失があると裁判所をはじめ考える傾向があります。


しかし、自転車には自賠責保険のような強制保険はありませんので、従来は保険に加入するかどうかは自転車に乗る人の判断に委ねられていました。当事務所にも自転車事故で負傷した方の相談、相手方が保険に加入しておらずどうして良いのかという相談が一定数寄せられております。


先の裁判例のように加害者本人に一括で9,500万円を払えと言われても難しいことが多いでしょう。ただ、被害者にとっても大きな後遺障害が残っているのに泣き寝入りをしていいはずはありません。


このような問題意識から現在全国で、万が一自転車に乗って事故を起こしてしまった場合、賠償責任が発生してしまう場合に備えて、自転車保険加入の義務化の流れが広がっているのです。



自転車保険の種類


以上の流れを受けて現在様々な自転車保険が販売されています。
自転車保険には大別して自転車単独で入る保険と、他の保険の特約として加入するものがあります。

自転車単独で入る保険は傷害保険が付帯している場合も多く、この場合例えば自転車同士の事故などで自身も負傷した際にも補償があります。他の保険の特約として加入するものとしては、火災保険に付帯している個人賠償責任保険などがメジャーだと思いますが、保険料が安い傾向にあります。なお、利用条件が限定されている可能性(通勤中は使えないなど)もありますので、注意が必要です。



おわりに


今後も自転車保険加入の義務化の流れは広がっていくものと考えられますが、被害者の泣き寝入りを許さないためにも是非千葉県や県内の市区町村でも自転車保険加入を義務付ける条例を制定していただきたいと思います。そして、自転車の運転に伴う危険性を理解していただき、是非自転車保険に加入されることをお勧めします。


(文責:弁護士 粟津 正博



なぜ、自賠責の保険料は下がるのに、任意保険の保険料は上がるのか?

2020年01月29日

自賠責の保険料の値下げ


自動車の任意保険

2020年1月22日、金融庁は、今年4月の契約分から、自動車やバイクを持つ人に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料を、16.4%引き下げることを決定しました。


これによって、4月以降の保険料(2年契約、沖縄・離島を除く)が、乗用車が2万1550円(4280円減)、軽自動車は2万1140円(3930円減)、排気量250cc超のバイクは9680円(1840円減)、原動機付き自転車は8950円(1000円減)となります。


これは、自動ブレーキをはじめとする、自動車の安全装置の発達や普及が、交通事故の減少をもたらし、それに伴って、保険金の支払額も減っていることが要因と言われております。実際、全国の交通事故死者数についてみると、ピークだった1970年に比べると、約80%減となっております。


任意保険の保険料の値上げ


他方で、任意加入の自動車保険(任意保険)の自動車保険の保険料は、2020年1月に、損保大手4社(東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)の平均で約3%値上がりしています。


自賠責保険は値下げなのに、任意保険は値上げ?


なぜ、自賠責保険料は大幅に値下がりしているのに、任意保険の保険料は値上がりしているのでしょうか。


その理由は、自賠責保険と任意保険で、保険金の支払われる対象範囲が異なることにあります。


自賠責保険は、“人身事故の被害者救済”を目的にしており、保険金の支払いの対象は事故被害者のケガに対する補償(慰謝料なども含む)ということになり、自動車の修理費などの物的損害は保険金の支払いの対象外となっています。他方で、任意保険は、広く、ケガに対する補償のみならず、物的損害もその対象としています。


前述のとおり、交通事故の発生件数自体は減少し、それに伴い人身事故も減少していますが、@2019年10月の消費税増税で、自動車の部品代や修理費が値上げになっていたり、A自動ブレーキの運転支援システムなど高額な機能を搭載した自動車が増えて、修理費自体が高額化したことにより、物的損害に対する保険金の支払額が増えているようです。なお、2021年11月以降に販売する新型乗用車には、自動ブレーキの搭載が義務付けられることが決定しており、自動車の高額化の流れは、今後も続くと思われます。


このように、物的損害も保険金の支払いの対象とする任意保険については、保険金の支払額が増加し、その分を保険料に転嫁することでカバーしようということで、任意保険の保険料が値上がりとなるようです。


任意保険の加入率


「事故が減っていくなら、(任意)保険に入らなくていいんじゃない?」という考えは、前述のとおり、物損事故であっても賠償額が大きくなる傾向にあることに鑑みると、危険だということが分かります。


ちなみに、損害保険料率算出機構が発表しているデータによりますと、任意保険(自動車保険・自動車共済)における「対人賠償(対人賠償保険・対人賠償共済)」の加入率は、都道府県によって、大きく異なっています。


2017年度版のデータによりますと、加入率が高い都道府県トップ3は、富山県(92.0%)、香川県(91.6%)、石川県(91.1%)となっています。逆に、加入率が低い都道府県のワースト3は、沖縄県(77.4%)、鹿児島県(81.7%)、山梨県(83.6%)となっています。


最後に


自動車事故は、いつ、誰の身に発生するか分かりません。2019年のデータによりますと、事故の発生件数は減ったとはいえ、死亡事故は、全国で1日あたり8.8人のペースで発生しています。


自動車やバイクなどを運転される方は、保険料が値上がりしているとはいえ、任意保険に加入することを強くお勧めします。


(文責:弁護士 前田 徹

2019年の交通事故死者数は、千葉県が全国ワーストワンに!

2020年01月08日

千葉県がワーストワンの結果に・・・


警察庁が2020年1月6日に発表したデータによりますと、2019年の交通事故死者数(都道府県別)は、千葉県が172人で全国ワーストワンになりました。2018年まで16年連続最多だった愛知県が156人で2番目になり、3番目は152人の北海道という結果になりました。なお、2018年の千葉県は、186人で愛知県に続いて2番目でした。


全国の交通事故死者数は、ピークだった1970年に比べると、約80%減となっておりますが、千葉県ではここ数年、交通事故死者数が、非常に多い状況が続いております。千葉県内の方は、運転の際には特に気を付ける必要があるといえるでしょう。


高齢者の死亡事故


また、警察庁の発表によりますと、65歳以上の高齢者の死者数は、前年に比べると184人減っていますが、全年齢に占める高齢者の割合は、55.4%に上ります。人口10万人当たりでみると、65歳以上の死者数は、5.01人で、全年齢の2.54人に比べると、2倍近い数字になっています。


高齢者の方が交通事故の被害者になる場合には、死亡事故や重度の後遺症が残るなど重大な事故になるケースが多くあります。高齢者の方は、他の年齢層の方よりも、なお一層交通事故には気を付けて生活をしていただく必要があるといえます。


10〜12月は要注意!


さらに、警察庁は、月別交通事故死者数の推移も発表しています。


過去10年のデータを見ますと、毎年、10〜12月の死者数が他の月に比べて多くなっていることが分かります。2019年についてみると、年間の1日当たりの死者数は、8.8人となっていますが、10月は10.1人、11月は10.9人、12月は11.5人となっています。5月が6.8人、6月が6.9人であることに比べると、大きな差があります。


例年、5〜6月の死者数が少なく、10〜12月の死者数が多いことから、交通事故死者数には日没時間が影響していると推測されます。このようなデータを見ても、夕方の早めのライト点灯は非常に重要なことが分かります。


最後に


自動ブレーキをはじめとして、自動車の安全装置の進化が、交通事故死者数の減少に役立っていると言われておりますが、まだまだ死亡事故は多く、1日あたり8.8人のペースで発生しています。


警察庁から発表されたデータを参考にして、千葉県内で死亡事故が多く発生していること、高齢者は他の年齢層に比べて死亡事故の割合が2倍ほど高いこと、特に10〜12月に交通事故は多く発生していることを頭に入れて、生活をしていきましょう。


(文責:弁護士 前田 徹

先日仕事中に交通事故に遭いました。会社の保険に弁護士費用特約がついていたため、弁護士費用特約を利用しようと考えているのですが、労災の場合も弁護士費用特約は利用できますか?

2019年11月13日

先日仕事中に交通事故に遭いました。会社の保険に弁護士費用特約がついていたため、弁護士費用特約を利用しようと考えているのですが、労災の場合も弁護士費用特約は利用できますか?


労災だからといって弁護士費用特約が適用されないわけではありません。しかし「業務中の事故」の場合には弁護士費用特約が適用されない保険会社がいくつかあります。業務災害で弁護士費用特約を利用できるかどうかについては、各保険会社の約款などを確認する必要があります。


交通事故 : 弁護士費用特約


◆弁護士費用特約が適用されないケースとは


交通事故に遭ったとき、自動車保険に「弁護士費用特約」をつけていたら保険会社から弁護士費用を出してもらうことが可能です。法律相談料や着手金、報酬金の負担がなくなるので、利用者は大きなメリットを得られるでしょう。


しかし弁護士費用特約が適用されない種類の交通事故もあるので要注意です。保険会社によっては「業務中に発生した交通事故」については弁護士費用特約の適用外としています。


労災のケースで必ず弁護士費用特約を利用できないわけではありませんが、特約が適用されるかどうかについて、一度保険約款を確認する必要があるでしょう。




◆交渉次第で適用されるケースがある


問題は、保険会社の担当者自身も弁護士費用特約を適用できるかどうか正確に把握していないケースがあることです。


契約者が問合せをしたとき、当初は「弁護士費用特約が適用されない」と返答されても、再度よく要件を検討したところ適用されたという例もみられます。


保険会社の担当者の説明に納得できない場合には、あきらめずに弁護士までご相談下さい。




◆自分の弁護士費用特約を利用できる可能性


本件では、会社の自動車保険についている弁護士費用特約を利用されようとしています。


もしも会社の自動車保険では「業務上の交通事故に弁護士費用特約を適用しない」という約款になっていたとしても、他の保険についている弁護士費用特約を利用できる可能性があります。


たとえば、会社ではなくご本人がマイカーに関して自動車保険に加入している場合、そちらの保険会社では業務上の交通事故にも弁護士費用特約の適用を認めている可能性があります。


自分が契約者の場合のみならず、同居の家族や配偶者が契約している弁護士費用特約を利用できる可能性もあります。


自動車保険だけではなく、医療保険や火災保険、日常事故の個人賠償責任保険についている弁護士費用特約を利用できる事例もあるので、しっかり確認することが大切です。




弁護士費用特約を適用できるかどうかよくわからない場合、弁護士が調査やアドバイス、保険会社の担当者との交渉など行うことも可能です。迷われたら、お気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。夫の車には弁護士費用特約が付いていたので私も利用できるということなのですが、弁護士費用特約は300万円までと書いています。私と夫が利用する場合は、二人で300万円までなのでしょうか?

2019年11月08日

夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。夫の車には弁護士費用特約が付いていたので私も利用できるということなのですが、弁護士費用特約は300万円までと書いています。私と夫が利用する場合は、二人で300万円までなのでしょうか?


いいえ、弁護士費用特約の限度額は「被害者ごと」に計算されるので、夫婦お二人が弁護士費用特約を利用される場合には「1人300万円まで」が限度となります。


交通事故 : 弁護士費用特約


◆弁護士費用特約とは


弁護士費用特約は、交通事故で弁護士が必要な場合において、保険会社が弁護士費用を負担してくれる保険特約です。


弁護士費用特約をつけておくと、いざ交通事故に遭ったときに弁護士の相談料や着手金、報酬金等を保険会社から出してもらえるので、被害者の経済的な負担が軽減されます。


今回のように「夫が車を運転しているときに夫婦で事故に遭った」ら、どの程度の保障を受けられるのか、みてみましょう。




◆弁護士費用特約によって補償される範囲


弁護士費用特約に加入していると、被保険者だけではなくその家族(配偶者や同居の家族など)、契約自動車の同乗者などにも特約が適用されます。


そこで、本件のように「夫が運転していた車」に乗車していた場合、夫が被保険者であれば妻にも弁護士費用特約が適用されます。


また車が契約自動車であれば、乗車していた夫や妻に弁護士費用特約が適用されます。夫と妻の両方に弁護士費用特約が適用されることに問題はありません。




◆弁護士費用特約の限度額


ただし弁護士費用特約には「限度額」が設定されています。通常は以下の通りです。



このように、1つの交通事故について、「被害者1人あたり」法律相談料なら10万円、着手金や報酬金などの費用であれば300万円までが補償されます。


本件のように夫婦で同時に交通事故に遭った場合でも、限度額は「被害者ごと」に計算されるので、1人300万円、夫婦を合わせると合計で600万円まで弁護士費用が支払われます。




◆弁護士費用特約によって保障される費用


弁護士費用特約をつけていると、法律相談料以外に以下のような費用が支払われます。



上記のうち、裁判などにかかる実費(印紙代や郵便切手代など)は、被害者が自分で裁判を起こす際にも必要となる費用ですが、弁護士費用特約を利用すると弁護士費用の1種として保険会社が負担してくれます。




交通事故に遭ったとき、弁護士費用特約を利用できるなら必ず利用しましょう。適用されるか不明な場合や利用方法がわからない場合などには、弁護士がアドバイスいたしますのでお気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。過失割合は、夫が4で相手が6でした。私は誰から損害賠償を受領できるのでしょうか?

2019年10月15日

夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。過失割合は、夫が4で相手が6でした。私は誰から損害賠償を受領できるのでしょうか?


この場合、事故の相手方と夫の両者へ損害賠償請求できる可能性があります。ただしご本人が事故の危険を発生させたケースや夫の飲酒運転を黙認していたケースなどでは、夫に対する請求額を減額される可能性があります。


交通事故 : 損害賠償請求


◆損害賠償請求の相手方について


交通事故に遭ったら、通常は「事故の相手方」に損害賠償請求を行うものです。本件でも、事故の相手に損害賠償請求できることについては間違いありません。


ただ本件のように「夫」など自分以外の他人の運転する車に乗せてもらっていた場合には、「運転者」に対しても賠償金を請求できる可能性があります。


交通事故は、運転者と事故の相手方が共同で引き起こしたものであり「共同不法行為」となるからです。共同不法行為が成立する場合、共同不法行為者同士の関係は「連帯債務」になります。


そこで被害者は共同不法行為者のどちらに対しても全額の損害賠償請求が可能です。本件の場合にも、事故の相手方と夫の両方に対し、基本的に全額の損害賠償を求められます。




◆無償同乗による減額


ただし本件のように誰かの車に乗せてもらっていて交通事故に遭った場合、運転者に対する損害賠償請求は一定程度減額される可能性があります。


そもそも無償で車に乗せてもらっていたのは、運転者の好意によるものです。その好意に甘えておきながら、事故が発生したら全額の賠償金を請求するのは都合がよすぎるのではないか?という考えがあるためです。


このような考え方を「無償同乗」「好意同乗」といい、賠償金が一定割合で減額されるケースがみられます。


ただし近年では、「単に車に乗せてもらっていた」というだけで無償同乗による減額が行われるケースは減っています。それでも減額されるのは、以下のようなケースです。


同乗者が事故発生の危険を高めていた

同乗者が運転者を煽ったり周囲の車とスピードを競わせたりして危険を発生させたり高めたりしていた場合です。この場合、同乗者にも事故発生の責任が認められるので、賠償金が減額されます。


同乗者が危険を受け入れていた

運転者が飲酒しているのを知りながらあえて同乗した場合など、同乗者が危険を受け入れていたとみなされると損害賠償金を減額されます。


本件では、夫に特に飲酒などの問題行動がなく、同乗していた妻が夫の危険な運転を煽ったといった事情もないでしょうから、夫に請求する賠償金が減額される可能性は低いと言えるでしょう。




交通事故では、事故の相手方以外の人に賠償請求できる事案も意外とたくさんあるものです。


損害賠償請求の相手方の選択に迷われたときには、弁護士がアドバイスをいたしますのでお気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


交通事故に遭った場合に、修理箇所の永久保証はつけられますか?

2019年10月11日

交通事故に遭った場合に、修理箇所の永久保証はつけられますか?


保険会社と提携している指定修理工場を利用すると、オーナーが代わるまでの間「永久保証」をつけてもらえるケースがあります。


交通事故 : 永久保証


◆永久保証をつけられる場合とつけられない場合について


事故で車が壊れて修理に出すとき、故障箇所によっては「できれば保証をつけてほしい」と考えることがあるものです。


事故車の修理の際、永久保証をつけることはできるのでしょうか?


永久保証をつけられるかどうかは、保険会社の対応や修理先の工場によって異なります。そもそも修理工場が永久保証サービスを行っていなければ、保証をつけることは不可能です。


また永久保証サービスがあっても、別途料金が発生する場合には保険会社が負担してくれない可能性があります。被害者の自己判断によって追加費用を払って永久保証をつけた場合、その費用については保険会社が支払いを拒絶する可能性があるので事前の確認が必要です。




◆指定修理工場であれば無償で永久保証をつけられる可能性がある


最近、保険会社が修理工場との提携関係を進め「指定修理工場」として被害者に利用を勧めているケースがみられます。


こうした指定修理工場を利用すれば、多くのケースで永久保証がつけられます。その場合、別途費用は発生しないので、スムーズに保証を受けることができるでしょう。


また修理費用の割引きや無料の洗車、納車サービスなどを利用できる保険会社もあります。



◆永久保証が続く期間について


指定修理工場で永久保証を受ける場合、「永久」とは言っても実際には期間制限があるので注意が必要です。


通常は「ワンオーナー」すなわち事故当時の所有者が車を所有する間に限った補償となります。中古車として次のオーナーに譲ったり家族間で名義を換えたりすると保証はきかなくなります。



◆サービスの有無や内容は保険会社に確認する必要がある


すべての保険会社が指定修理工場の制度を導入しているわけではありません。また指定修理工場があるとしても、永久保証サービスがついているのかどうか、保証期間などもケースバイケースです。


車を修理する前に保険会社にどういった制度を利用できるのか、確認する必要があるでしょう。




事故車を修理に出すとき、できれば永久保証など有利な条件をつけてもらえる方がありがたいものです。


まずは保険会社に対し、提携修理工場の存在や指定修理工場の制度がないか、確認してから修理を進めましょう。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

営業車が事故に遭いました。代車は借りられますか?

2019年10月08日

営業車が事故に遭いました。代車は借りられますか?


代車を借りることは可能です。その場合、自社でレンタカーなどを借りて、後に保険会社へレンタカーにかかった費用を請求します。ただし代車使用料が認められるのは、事故車の修理に必要な期間のみです。また事故車と同等のランクである必要はないと考えられています。


交通事故 : 代車


◆事故で車を使えない場合、代車を借りられる


交通事故に遭って車の修理が必要になると、修理に出している間は車を使えなくなります。特に営業車の場合、その間営業ができなくなると営業損失も発生してしまいます。


そこで営業車が破損して修理に出す場合には、修理に出している期間中に代車を利用することが認められます。その際に発生するレンタカー代については、交通事故によって発生した損害の一部として、相手の保険会社に請求できます。




◆遊休車がある場合には借りられない可能性がある


ただし会社によっては、事故車以外に使っていない遊休車を所有している場合もあるでしょう。遊休車があるならそれを使って営業できるので、わざわざ代車を借りる必要はありません。自己判断で代車を借りることは自由ですが、代車費用の請求は認められない可能性が高くなります。



◆代車費用が認められる期間


代車費用を請求できるケースでも「いつまで代車使用が認められるか」という「期間」には注意が必要です。これについては、基本的に「代車使用の必要性がある期間」に限定されます。すなわち「修理に必要な期間」のみ代車費用を請求できると考えましょう。


修理が済んだ後もレンタカーを借りていた場合や、被害者側の事情で修理期間が長引いた場合などには、代車費用を全額請求できない可能性があります。



◆代車のランクについて


営業車の場合、お客様に与える印象などもあるので高級車を利用しているケースがあるものです。その場合、代車も同じように高級車を利用したいと考える事業主様もおられるでしょう。


しかし代車のランクは、通常一般の普通車両に相当するものとなります。外車や高級車を借りても通常一般のランクの代車費用しか出ないので、差額を自己負担しなければならない可能性が高くなります。


なお、営業車が事故に遭ったために一切営業できなくなった場合には、営業損失として相手に賠償金を請求できる可能性もあります。




営業車が事故に遭ったとき、代車使用期間や代車のランクなどの点で保険会社とトラブルになる事例がみられます。


代車費用を負担したのに保険会社に払ってもらえず自己負担となったら損失が発生します。不利益を避けるため、判断に迷われたときには一度弁護士までご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


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