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相手保険会社から交通事故の後、承諾書という書面が送られてきました。承諾書と示談書は何が違うのですか?

2019年09月10日

相手保険会社から交通事故の後、承諾書という書面が送られてきました。承諾書と示談書は何が違うのですか?


承諾書は、署名押印した人が書面の内容を受け入れたことを明らかにするための書類です。交通事故の場合、被害者が示談金に納得したことを証明するために承諾書に署名押印します。
示談書は、署名した当事者が示談の内容に納得していることを明らかにするための書類です。交通事故の場合、損害賠償の方法に納得した被害者と加害者の双方が署名押印します。
どちらも効果としてはほとんど同じですが、承諾書の場合には被害者のみが署名押印、示談書の場合には加害者と被害者が両方署名押印する違いがあります。


交通事故 : 承諾書 示談書


◆承諾書とは


承諾書とは、署名押印した人が「書面の内容に納得して受け入れた」ことを表す書面です。


交通事故では、被害者が加害者の保険会社に対して差し入れます。このことで、保険会社が被害者に支払う保険金の額が確定し、保険会社が安全に支払いをすることが可能となります。


承諾書が差し入れられなければ、保険会社が支払った後に被害者が追加請求するおそれがあるので、支払いに応じられません。


承諾書は被害者が一方的に納得する書類なので、署名押印するのは被害者のみです。加害者本人や加害者の保険会社はサインしません。




◆示談書とは


示談書は、署名押印した両当事者が「書面の内容の契約に納得して合意した」ことを示す書面です。


交通事故では、被害者と加害者の双方が署名押印します。このことでお互いが損害賠償金の内容について納得したことが明らかになり、保険会社が安全に支払いをできるようになります。



◆承諾書と示談書の違い


このように、承諾書も示談書も効果はほとんど同じです。ただし承諾書は被害者しか署名押印しませんが、示談書には被害者と加害者の両名が署名押印します。


また示談書の場合、加害者も署名押印をするので、加害者も内容に拘束されます。一方被害者が承諾書を書いただけでは加害者における義務は発生しません。



◆承諾書を利用するケースとは


被害者が承諾しただけでは加害者に対する義務が発生しないので、当事者同士で示談するときに承諾書を利用するのは危険です。承諾書作成後、加害者が「私はその金額に合意していない」と言い出して払ってくれない可能性があるからです。


自分達だけで示談する場合、必ず示談書を作成して加害者にも署名押印させましょう。


承諾書が利用されるのは、保険会社が支払いをするケースです。保険会社が支払いをする場合、定まった金額は通常確実に支払うので、加害者に署名押印させる必要性が小さくなります。


またいちいち被害者と加害者の両名に署名押印させるのは手間になるので承諾書を利用することで手続きを簡略化しています。




交通事故処理を進める際には、多種多様な書類が登場するので混乱してしまう方もおられます。


書面の意味がわからないときには、署名押印する前に弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


相手の休業損害の提示金額が自賠責の基準を下回っていました。自賠責の基準を下回ることは許されませんよね?

2019年09月06日

相手の休業損害の提示金額が自賠責の基準を下回っていました。自賠責の基準を下回ることは許されませんよね?


加害者の任意保険会社が自賠責基準を下回る休業損害額を提示してきた場合でも、被害者が承諾すればその内容は有効となります。任意保険会社が必ず自賠責保険よりも高額な提示をしなければならないルールはありません。自賠責基準より低い金額の提示をされたら、そのまま受諾せずに交渉によって増額してもらいましょう。


交通事故 : 自賠責の基準


◆自賠責保険より低い金額での示談も有効


一般的に、自賠責保険は被害者への最低限の保障をするための保険であり、任意保険はその上乗せを行うための保険というイメージがあります。


そこで「任意保険が提示する金額は、自賠責保険の基準を下回ることがない」と思われているケースもあります。しかし実際には、「任意保険会社との示談金額が自賠責保険基準より低くてはいけない」というルールはありません。当事者さえ納得していれば、自賠責基準より低い金額での示談も有効です。


いったん合意したら、後になって「自賠責基準より低い金額だから無効」と主張しても、示談のやり直しを求めることは不可能です。




◆相手が自賠責保険より低い金額を提示した場合の対処方法


相手の休業損害提示額が、自賠責基準より低額な場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?


その場合、「自賠責基準では○○円となるはずなので、最低限そこまでは増額してほしい」と伝えましょう。


たとえば休業損害の場合、自賠責基準によると1日あたり5700円が基準とされています。ただし給与明細書や源泉徴収票などで現実の収入を証明できる場合、現実の収入額を基準にできます(ただし1日あたり19000円が上限です)。


たとえば主婦などで1日あたり5700円を下回る金額を提示されていたら5700円までは増額を求められますし、サラリーマンなどで実際の源泉徴収票によって収入を証明できているのに5700円を提示されていたら、現実の収入ベースまで増額可能です(ただし1日19000円が限度です)。



◆自賠責基準より高額な弁護士基準について


交通事故の休業損害計算基準としては、自賠責基準より高額な「弁護士基準」もあります。弁護士基準で休業損害を計算すると、主婦の場合などには1日あたり1万円程度となりますし、サラリーマンや自営業の方の場合などでは1日あたり19000円の上限が外れて現実の収入が全額考慮されます。


弁護士基準を適用することによって休業損害が大きく増額される方も数多くいらっしゃいます。




任意保険会社と示談交渉を進めるとき、相手の言うままに示談すると不利益になる可能性があります。示談書に署名押印する前に、一度弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


クロス払いと相殺払いとは何ですか?

2019年09月04日

クロス払いと相殺払いとは何ですか?


クロス払いとは、交通事故の当事者がそれぞれ相手に損害賠償金を支払い合うこと、相殺払いとは、交通事故の当事者が互いの損害賠償請求権を相殺し、一方のみが残額を支払うことです。事故の当事者がお互いに保険に入っていたら、通常クロス払いが行われます。


交通事故 : クロス払い 相殺払い


◆クロス払いとは


交通事故が起こったとき、事故の当事者双方に過失があるケースも多々あります。その場合、お互いが相手に損害賠償金を払わねばなりません。


その際、お互いが相手に現実に支払いをする方法を「クロス払い」といいます。


たとえばAさんとBさんが事故に遭い、Aさんには30万円の損害が発生し、Bさんには70万円の損害が発生したとします。AさんとBさんの過失割合は4:6としましょう。その場合、AさんはBさんに28万円、BさんはAさんに18万円を払わねばなりません。


AさんがBさんに現実に28万円を送金し、BさんがAさんに実際に18万円を送金するのが「クロス払い」です。


クロス払いの場合、お互いに振込手数料を負担しなければなりませんし面倒な点がデメリットとなります。両当事者に保険会社がついている場合には、通常保険会社は現実に振り込みを行い、クロス払いとなります。




◆相殺払いとは


相殺払いは、お互いの損害賠償債権を「相殺」して、一方がその残額のみを支払う方法です。


一方しか支払いをしないので、他方(負担額が少ない方)の振り込みにかかる手間を省くことが可能です。また「相手の不払い」のリスクを減らすこともできます。


例を出してみてみましょう。


先ほどと同様の事例で、AさんがBさんに28万円、BさんがAさんに18万円を支払わねばならない状況とします。このとき相殺払いなら、お互いの債務を相殺して、AさんがBさんに10万円(28万円−18万円)を支払うことによって解決します。


そうすれば、BさんはAさんへ支払う必要がなく手間を省けますし、Aさんとしても「支払いをしてもBさんから18万円を支払ってもらえないかもしれない」リスクをなくせます。



◆相殺払いをするには両者の合意が必要


現行民法では、不法行為に基づく損害賠償請求権を当然に相殺することは認められていません。民法改正により、物損については相殺の対象にできるようになりますが、人身損害についてはやはり当然には相殺の対象にできないままです。


このように、法律によって相殺を制限される場合には、お互いが相殺の合意をすることによって相殺を実現する必要があります。保険会社同士がやりとりする場合にはクロス払いを行うので問題にはなりませんが、当事者同士で和解する場合などには合意によって相殺払いを利用するとよいでしょう。




交通事故の示談の方法には、法律的な視点から工夫できるポイントがあるものです。弁護士が知恵をお貸ししますので、お気軽にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


交通事故のストレスが原因でうつ病になってしまいました。治療費は相手保険会社から払われますか?

2019年09月02日

交通事故のストレスが原因でうつ病になってしまいました。治療費は相手保険会社から払われますか?


交通事故が原因でうつ病となったのであれば、治療費を相手に請求できます。ただし交通事故とうつ病の因果関係の立証が困難になりやすい問題があります。また被害者のもともとの精神的な傾向を理由に治療費を減額されるケースも多々あります。このような減額を「素因減額」といいます。


交通事故 : うつ病


◆うつ病と交通事故の因果関係


交通事故によって多大なストレスを受けたり恐怖を感じたりすることにより、事故後にうつ病やPTSDになってしまう方がおられます。


その場合、交通事故がなかったらうつ病やPTSDになることはなかったのですから、治療費はうつ病やPTSDによって発生した損害といえます。

このことからすると、事故のストレスが原因でうつ病となって治療費が必要になったら、加害者へ治療費を請求できるはずです。


しかし現実にうつ病の治療費を加害者の保険会社へ請求すると「交通事故との因果関係」を持ち出されて請求を否定される例が多々あります。


交通事故に遭ったからといって誰でもうつ病になるわけではないので、「うつ病は交通事故とは無関係に発症した」と言われるのです。事故後に離婚、退職した場合、家族関係がうまくいかなくなった場合などには、それらの事情が原因でうつ病になったのだといわれるケースも多々あります。


交通事故とうつ病が無関係であれば、うつ病の治療費を請求することは不可能です。治療費を払ってほしければ、医師としっかりコミュニケーションをとり、症状の内容や発症時期、経緯などを丁寧に説明してうつ病と交通事故の因果関係を立証する必要があります。




◆「素因減額」について


うつ病と交通事故との間に因果関係が認められるケースでも、「素因減額」によって治療費や慰謝料が減額されるケースが多々あるので注意が必要です。


素因減額とは、被害者側に損害拡大の原因がある場合において、被害者が請求できる賠償金の金額を減額することです。交通事故後にうつ病になった場合、もともと被害者の精神的にうつ状態になりやすい傾向があったからと主張され、損害賠償金額が減額されやすくなっています。


以上のようにうつ病の治療費を請求するためには、「交通事故とうつ病との因果関係」と「素因減額」の2つの問題をクリアする必要があります。




うつ病やPTSDとなった場合、後遺障害認定を受けることも可能ですし治療費や慰謝料も請求できますが、実際に請求する際のハードルは高めで専門知識が不可欠です。


一人で悩んでいると精神状態がより悪化してしまう可能性もありますので、まずはお気軽に弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


事前認定が利用できない保険会社があると言われました。これはどういうことですか?

2019年08月30日

事前認定が利用できない保険会社があると言われました。これはどういうことですか?


加害者が任意保険に加入しておらず、自賠責保険にしか入っていない場合、自賠責保険会社は「事前認定」に対応してくれません。被害者が自分で直接自賠責保険に対し、後遺障害認定の請求をする必要があります。


交通事故 : 事前認定


◆事前認定とは


事前認定とは、交通事故で後遺症が残ったときに相手の「任意保険会社(共済)」に依頼して後遺障害認定の手続きをしてもらう方法です。


交通事故の際、後遺障害認定を行っているのは自賠責保険ですから、認定を受けるには自賠責保険へ後遺障害認定の請求をしなければなりません。そして自賠法は「加害者自身が自賠責保険へ保険金の請求ができる」と規定しています(15条)。


被害者に後遺障害が残った場合には、任意保険会社が被害者へ保険金を支払う前提として被害者の後遺障害等級を確定する必要があるので、任意保険会社が自賠責保険へと後遺障害認定の申請をできます。


その結果、被害者は加害者の任意保険へと後遺障害認定の手続きを任せることが可能となります。これが「事前認定」の概要です。




◆事前認定を利用できない保険会社とは


事前認定は「加害者の任意保険会社や共済に後遺障害認定の手続きを任せる方法」ですから、「加害者が任意保険や共済に加入していること」が前提です。加害者が任意保険や共済の加入していない「無保険」の状態で運転していた場合には、事前認定を利用できません。


加害者が自賠責保険に加入していても、自賠責保険に「事前認定」を依頼することは不可能です。事前認定は「任意保険(加害者)」が行う手続きであり、自賠責保険自身が行うものではないからです。


相手が損害保険に加入していても、それが自賠責保険なら事前認定を利用できません。被害者自身が自賠責保険へと「被害者請求」する必要があります。




◆被害者請求の方法


被害者請求をするときには、被害者自身が後遺障害認定の申請に必要な書類をすべて集めて提出しなければなりません。まずは自賠責保険から保険金請求用の一式書類と後遺障害診断書を取り寄せましょう。


その上で必要書類を作成し、必要な資料を集めて自賠責保険へと送ります。すると自賠責保険で後遺障害についての調査が行われ、被害者宛に結果が通知されます。


被害者請求の際には、交通事故証明書や事故発生状況報告書などを始めとして多種多様な書類が必要になります。適正に後遺障害認定を受けるためには、積極的に医学的な資料を添付すべきケースも多々あります。




お一人ではうまく手続きを進めにくいケースも多々あるので、後遺障害認定についてご不明な点があれば、お早めに弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


後遺障害申請の結果、首と腰に14級が認定されました。2つの認定がついたことは、今後の賠償金額の増額に影響が出ますか?

2019年08月28日

後遺障害申請の結果、首と腰に14級が認定されました。2つの認定がついたことは、今後の賠償金額の増額に影響が出ますか?


認定された等級がどちらも14級であれば、併合によって等級が上がることはありません。ただし複数の症状があると仕事への支障も大きくなりますし、精神的苦痛も通常事案より強まります。場合によっては慰謝料や逸失利益が増額される可能性があります。


交通事故 : 後遺障害


◆後遺障害14級と併合認定


交通事故で異なる系列の2つ以上の後遺障害が残った場合、「併合認定」によって等級の繰り上げが発生します。すると繰り上げられた分、慰謝料も逸失利益も増額されます。

しかし14級の場合、2つ以上の後遺障害があっても等級の繰り上げが起こりません。認定等級が14級である以上、14級に相当する慰謝料や逸失利益しか認められないのが原則です。




◆後遺障害14級が複数ある場合の慰謝料、逸失利益


ただし後遺障害14級に該当する症状が2つある場合、1つだけの人よりも精神的苦痛が強くなりますし、労働に関する支障も大きくなる可能性が高いと言えます。そこで14級の後遺障害が2つ以上残った場合、通常の14級の基準よりも慰謝料や逸失利益を高くしてもらえるケースが存在します。


過去の裁判例でも、頸部(首)と腰部(腰)の両方に神経症状が残ってそれぞれ14級9号の認定を受け、併合14級が認定された事例において、通常の14級のケースよりも高めの逸失利益を認めた事例があります(福岡地裁平成26年2月13日)。


この事例では、一般的な後遺障害14級の労働能力喪失率が5%であるところ、症状がきついことに鑑みて9%として計算しています。また14級の場合、労働能力喪失期間を5年程度に限定されるケースが多いところ、症状に鑑みて10年間として計算しています。


このように、同じ14級でも複数の後遺障害が残って通常のむちうちのケースよりも生活や仕事に対する支障が大きい場合などには、具体的な支障の内容や症状を証明することにより、高い慰謝料や逸失利益を認めてもらえる可能性があります。




◆慰謝料や逸失利益を増額させるには訴訟が必要


ただし相手の保険会社が任意にこういった主張を認め、支払いに応じる可能性は低いので、慰謝料や逸失利益を認めてもらうためには訴訟が必要となるでしょう。


また訴訟で高額な慰謝料や逸失利益を認めさせるには、単に「頸部と腰部に症状がある」というだけではなく、日常生活や仕事上の具体的な支障、通常よりも症状が厳しいといえる理由などを詳細に主張・立証する必要があります。




被害者の方がお一人で対応するのは困難です。お早めに交通事故に積極的に取り組んでいる弁護士に相談してみてください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


後遺障害申請の結果、併合11級と認定が出ました。併合とはどういう意味でしょうか?

2019年08月26日

後遺障害申請の結果、併合11級と認定が出ました。併合とはどういう意味でしょうか?


後遺障害の併合とは、「系列」の異なる複数の後遺障害がある場合に、合わせて後遺障害認定をするために等級を繰り上げることです。ケースに応じて1〜3級等級が上がります。


交通事故 : 併合


◆併合とは


後遺障害の併合とは、「系列」の異なる複数の後遺障害認定基準にあてはまるケースにおいて、認定等級を1〜3級繰り上げることです。


たとえば目が見えにくくなり(視力障害)かつ「まひ」などの神経症状が残ってしまった場合(神経障害)、両者を併合してより高い等級の後遺障害が認定されるケースなどがあります。


併合認定されるには、後遺障害が異なる「系列」である必要があります。系列とは「視力障害」「聴力障害」「神経障害」「上肢の欠損障害・機能障害」などの後遺障害の「種類」です。同じ種類の後遺障害が2つ以上あっても併合は行われません。




◆併合認定のルール


系列の異なる後遺障害が2つ以上ある場合、どのようなルールで後遺障害認定されるのでしょうか?



14級の後遺障害が2つ以上残った場合、繰り上げは行われません。




◆併合認定の具体例


たとえばむちうちで12級13号が認定され、7本の歯を失って12級3号に認定されたとします。この場合、等級が1級繰り上げられて併合11級となります。


脊髄損傷によって7級4号が認定され、同時に下肢の短縮障害によって8級5号が認定された場合、7級の等級が2級繰り上げられて併合5級となります。


むちうちで14級9号が認定され、同時に外貌醜状で12級14号が認定された場合、1つが14級なので等級の繰り上げは行われず、高い方の後遺障害等級である12級が認められます。


交通事故の後遺障害認定には、併合認定以外にもさまざまなルールがあります。異なる系列の2つ以上の後遺障害でも、例外的に併合が行われないパターンも存在します。




後遺障害認定結果が妥当かどうか確認するときには、認定基準についての正しい知識が必要です。


間違いがあれば異議申し立てによって等級を変更させることも可能ですので、自分では後遺障害認定結果の意味がわかりにくい場合、お早めに弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


神経学的所見とはどういうものなのでしょうか?

2019年08月23日

神経学的所見とはどういうものなのでしょうか?


神経学的所見とは、「神経学的検査」の結果です。交通事故後の後遺障害認定の際、神経学的所見で異常を確認できるかどうかが重要なポイントとなるケースが多々あります。


交通事故 : 神経学的所見


◆神経学的所見とは


神経学的所見とは、神経の異常を調べるためのさまざまな「神経学的検査」を実施した結果です。神経学的検査には、腱反射テストや知覚検査、病的反射テストなどいろいろな種類がありますが、それらの検査結果を医学的には「神経学的所見」といいます。


神経学的所見に異常がみられる場合には、神経に何らかの異常が発生している可能性が高いこととなります。神経学的所見は、交通事故の後遺障害の証拠・資料として利用できます。




◆神経学的所見と後遺障害認定の関係


交通事故でむちうちなどになったとき、必ずしもMRIやレントゲンなどで異常を立証できるとは限りません。むしろ画像撮影をしても何の異常も見当たらないケースが多数です。


そういったケースでは神経学的検査を行い、神経の異常を確認してその検査結果である神経学的所見を提出する方法が有効です。


神経学的所見によって神経症状が残っていることを証明でき、後遺障害14級の認定を受けられる可能性があるからです。


またMRIなどの画像に異常がみられるケースでも、補充的に神経学的検査を行って神経学的所見を提出することにより、12級の認定を受けやすくなるケースがあります。




◆代表的な神経学的検査の種類


交通事故でむちうちになったときなどによく行われる神経学的検査には、以下のようなものがあります。


ジャクソンテスト、スパーリングテスト

医師が患者の頭を持ち、痛みのある側や下方へ傾けたりして痛みが発生するかどうか調べる検査です。神経根に障害がある場合には痛みやしびれが発生します。


徒手筋力検査

医師と「押し合い」をすることにより、筋力の低下度合いを調べる検査です。


筋萎縮検査

麻痺が続くと筋肉が萎縮してくるので、右腕と左腕の周囲の長さが異なってくるケースがあります。筋萎縮検査では、メジャーで両腕をはかることにより、筋肉の萎縮度合いを調べます。


腱反射テスト

腱をゴムハンマーで叩き、反応をみることによって筋肉が萎縮していないかどうかを調べます。脊髄に異常があると過剰に反応し、神経痕に異常があると反応が低くなったり失われたりします。


病的反射テスト

指に刺激を与えて反射を確認します。異常な反応をすると、脊髄損傷を受けている可能性があります。


可動域検査

首を動かして、可動域を調べます。


知覚検査

筆などで触れて、皮膚感覚の有無や程度を調べます。




むちうちで後遺障害認定を受けるためには、丁寧に神経学的検査を実施して神経学的所見を提出する方法が効果的です。交通事故で後遺障害認定請求をする際には、弁護士がアドバイスをいたしますのでお気軽にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


事故で車が全損となったのですが、全損になった車はリースの車両でした。損害賠償の交渉をするに際して、通常の事故と異なる点はありますか?

2019年08月21日

事故で車が全損となったのですが、全損になった車はリースの車両でした。損害賠償の交渉をするに際して、通常の事故と異なる点はありますか?


リース物件の場合、基本的にはリース会社が加害者に対する損害賠償請求権を取得します。ただしユーザーが自ら修理費用を負担した場合には、ユーザーに損害賠償請求権が認められる可能性があります。


交通事故 : リース


◆リース車両の所有者はリース会社


リース車両に乗っていて交通事故に遭った場合、誰が加害者に損害賠償請求できるのかが問題です。ユーザーかリース会社のどちらに損害賠償請求権が認められるのでしょうか?


損害賠償請求権を取得するのは「損害を受けた人」です。そして車が壊れることによって損害を受けるのは、通常「車の所有者」です。リース車両の場合、リース会社が車の所有者となっています。


リース契約とは、リース会社が所有する物件をユーザーに貸し出して、契約期間中はユーザーが利用し、期間が終了したら所有者であるリース会社に返還する契約だからです。


車両が損壊したり価値が低下したりしたときに損害を受けるのは、所有物の価値が下がってしまうリース会社です。車両の価値が下がっても、ユーザーには損害は発生しません。


そこでリース車両で事故に遭ったとき、車両の修理費用や評価損害を加害者に請求できるのはリース会社ということになります。




◆例外的にユーザーに損害賠償請求権が認められるケース


ただしリース車両の損壊により、ユーザーに損害が発生するケースもあります。それは、ユーザーが自分の費用で車両を修理しなければならない場合です。


リース会社との契約により、故障や事故の際の修理はユーザーが行うとされている場合、ユーザーは自分で費用を出して修理しなければならないので損害を受けます。その場合にはユーザー自身が加害者に対して修理費用の請求をできます。


このように、ユーザーが加害者に損害賠償請求できるのは、車両が修理可能な場合に自分の費用で修理したケースのみであり、全損で修理不可能な場合や、ユーザーが自分で修理費を払わない場合にはリース会社が損害賠償請求権を取得します。


本件のように全損した場合には、リース会社が損害賠償請求をするので、ユーザーは加害者との示談交渉に関与しません。




◆事故の報告先


リース車両で事故に遭ったときには、警察や保険会社だけではなくリース会社にもすぐに事故の報告をしなければなりません。リース会社に報告せずに勝手に示談を進めてはなりません。




◆全損になるとリース契約が解約される


リース車両が事故によって全損になった場合、リース契約が自動解約されるのが通常です。その場合、違約金が発生する可能性もあるので注意が必要です。




任意保険に加入しておけば、そういった費用についても保険金が下りるので、リース車両を利用するなら必ず保険に入っておきましょう。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


先日事故に遭い、病院は遅くまでやっていないので整骨院メインで治療をしています。弁護士から整骨院での治療を相手保険会社に否認されるリスクがあると言われたのですが、これはどういうことでしょうか?

2019年07月31日

先日事故に遭い、病院は遅くまでやっていないので整骨院メインで治療をしています。弁護士から整骨院での治療を相手保険会社に否認されるリスクがあると言われたのですが、これはどういうことでしょうか?


整骨院での施術は病院における治療とは異なるので、必ずしも「けがの治療に必要」と認められません。医師が整骨院における治療の必要性を認めない場合には、治療費の支払いを否定されるリスクが高くなります。整骨院に通院するなら、最低限、医師に相談して同意をとってからにしましょう。


交通事故 : 整骨院


◆整骨院は病院ではない


一般の方は「整骨院」を「病院」と同じ治療機関と考えているケースがありますが、それは間違いです。整骨院の先生は「柔道整復師」であって「医師」ではありません。整骨院で受けられるマッサージやその他の施術は「治療行為」とは異なります。


交通事故でけがをしたとき、必ずしも整骨院での施術が有効とは判断されないのです。


また、整骨院では施術を受けても劇的に症状が改善することは少なく、通院期間が長期化しやすい特徴もあります。症状が改善しないのにいつまでも通院されては保険会社の方も費用負担できなくなります。


交通事故後、整骨院への通院期間が長くなってくると、保険会社によって治療費支払いを打ち切られるケースもよくあります。




◆整骨院での治療費が認められないケースがよくある


保険会社が治療費を払ってくれない場合でも、けがの回復のために必要な治療であれば、被害者が自分で立て替え払いして後から保険会社に請求できます。


しかし通院先が整骨院で通院期間が長期に及んでいる場合、裁判をしても整骨院の費用を全額認められない例が珍しくありません。


「後で請求できる」と思って自分で費用負担して整骨院に通っていると、予想外の負担を負わざるを得なくなるリスクがあります。




◆整骨院に通いたい場合の対処方法


交通事故後、どうしても整骨院に通いたい場合には、整形外科などの病院の医師としっかり相談をして、必要な範囲に限定して通うべきです。間違っても医師に伝えずに自己判断で整骨院に通ってはなりません。


また定期的に医師に状況をみてもらい、「もはや整骨院での施術が不要」と言われたら速やかに通院をやめて症状固定しましょう。


そのように対応すれば、整骨院の費用を否認されるリスクを大きく軽減できます。




交通事故後、治療方法を選択する際にはさまざまなことに注意が必要で、選択を誤ると思わぬ不利益を受ける結果になってしまいます。通院先や治療内容、症状固定時期などで悩まれているなら、自己判断で対応するのではなく、弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


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よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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