このエントリーをはてなブックマークに追加

先日仕事中に交通事故に遭いました。会社の保険に弁護士費用特約がついていたため、弁護士費用特約を利用しようと考えているのですが、労災の場合も弁護士費用特約は利用できますか?

2019年11月13日

先日仕事中に交通事故に遭いました。会社の保険に弁護士費用特約がついていたため、弁護士費用特約を利用しようと考えているのですが、労災の場合も弁護士費用特約は利用できますか?


労災だからといって弁護士費用特約が適用されないわけではありません。しかし「業務中の事故」の場合には弁護士費用特約が適用されない保険会社がいくつかあります。業務災害で弁護士費用特約を利用できるかどうかについては、各保険会社の約款などを確認する必要があります。


交通事故 : 弁護士費用特約


◆弁護士費用特約が適用されないケースとは


交通事故に遭ったとき、自動車保険に「弁護士費用特約」をつけていたら保険会社から弁護士費用を出してもらうことが可能です。法律相談料や着手金、報酬金の負担がなくなるので、利用者は大きなメリットを得られるでしょう。


しかし弁護士費用特約が適用されない種類の交通事故もあるので要注意です。保険会社によっては「業務中に発生した交通事故」については弁護士費用特約の適用外としています。


労災のケースで必ず弁護士費用特約を利用できないわけではありませんが、特約が適用されるかどうかについて、一度保険約款を確認する必要があるでしょう。




◆交渉次第で適用されるケースがある


問題は、保険会社の担当者自身も弁護士費用特約を適用できるかどうか正確に把握していないケースがあることです。


契約者が問合せをしたとき、当初は「弁護士費用特約が適用されない」と返答されても、再度よく要件を検討したところ適用されたという例もみられます。


保険会社の担当者の説明に納得できない場合には、あきらめずに弁護士までご相談下さい。




◆自分の弁護士費用特約を利用できる可能性


本件では、会社の自動車保険についている弁護士費用特約を利用されようとしています。


もしも会社の自動車保険では「業務上の交通事故に弁護士費用特約を適用しない」という約款になっていたとしても、他の保険についている弁護士費用特約を利用できる可能性があります。


たとえば、会社ではなくご本人がマイカーに関して自動車保険に加入している場合、そちらの保険会社では業務上の交通事故にも弁護士費用特約の適用を認めている可能性があります。


自分が契約者の場合のみならず、同居の家族や配偶者が契約している弁護士費用特約を利用できる可能性もあります。


自動車保険だけではなく、医療保険や火災保険、日常事故の個人賠償責任保険についている弁護士費用特約を利用できる事例もあるので、しっかり確認することが大切です。




弁護士費用特約を適用できるかどうかよくわからない場合、弁護士が調査やアドバイス、保険会社の担当者との交渉など行うことも可能です。迷われたら、お気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。夫の車には弁護士費用特約が付いていたので私も利用できるということなのですが、弁護士費用特約は300万円までと書いています。私と夫が利用する場合は、二人で300万円までなのでしょうか?

2019年11月08日

夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。夫の車には弁護士費用特約が付いていたので私も利用できるということなのですが、弁護士費用特約は300万円までと書いています。私と夫が利用する場合は、二人で300万円までなのでしょうか?


いいえ、弁護士費用特約の限度額は「被害者ごと」に計算されるので、夫婦お二人が弁護士費用特約を利用される場合には「1人300万円まで」が限度となります。


交通事故 : 弁護士費用特約


◆弁護士費用特約とは


弁護士費用特約は、交通事故で弁護士が必要な場合において、保険会社が弁護士費用を負担してくれる保険特約です。


弁護士費用特約をつけておくと、いざ交通事故に遭ったときに弁護士の相談料や着手金、報酬金等を保険会社から出してもらえるので、被害者の経済的な負担が軽減されます。


今回のように「夫が車を運転しているときに夫婦で事故に遭った」ら、どの程度の保障を受けられるのか、みてみましょう。




◆弁護士費用特約によって補償される範囲


弁護士費用特約に加入していると、被保険者だけではなくその家族(配偶者や同居の家族など)、契約自動車の同乗者などにも特約が適用されます。


そこで、本件のように「夫が運転していた車」に乗車していた場合、夫が被保険者であれば妻にも弁護士費用特約が適用されます。


また車が契約自動車であれば、乗車していた夫や妻に弁護士費用特約が適用されます。夫と妻の両方に弁護士費用特約が適用されることに問題はありません。




◆弁護士費用特約の限度額


ただし弁護士費用特約には「限度額」が設定されています。通常は以下の通りです。



このように、1つの交通事故について、「被害者1人あたり」法律相談料なら10万円、着手金や報酬金などの費用であれば300万円までが補償されます。


本件のように夫婦で同時に交通事故に遭った場合でも、限度額は「被害者ごと」に計算されるので、1人300万円、夫婦を合わせると合計で600万円まで弁護士費用が支払われます。




◆弁護士費用特約によって保障される費用


弁護士費用特約をつけていると、法律相談料以外に以下のような費用が支払われます。



上記のうち、裁判などにかかる実費(印紙代や郵便切手代など)は、被害者が自分で裁判を起こす際にも必要となる費用ですが、弁護士費用特約を利用すると弁護士費用の1種として保険会社が負担してくれます。




交通事故に遭ったとき、弁護士費用特約を利用できるなら必ず利用しましょう。適用されるか不明な場合や利用方法がわからない場合などには、弁護士がアドバイスいたしますのでお気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。過失割合は、夫が4で相手が6でした。私は誰から損害賠償を受領できるのでしょうか?

2019年10月15日

夫が運転している車に同乗しているときに事故に遭いました。過失割合は、夫が4で相手が6でした。私は誰から損害賠償を受領できるのでしょうか?


この場合、事故の相手方と夫の両者へ損害賠償請求できる可能性があります。ただしご本人が事故の危険を発生させたケースや夫の飲酒運転を黙認していたケースなどでは、夫に対する請求額を減額される可能性があります。


交通事故 : 損害賠償請求


◆損害賠償請求の相手方について


交通事故に遭ったら、通常は「事故の相手方」に損害賠償請求を行うものです。本件でも、事故の相手に損害賠償請求できることについては間違いありません。


ただ本件のように「夫」など自分以外の他人の運転する車に乗せてもらっていた場合には、「運転者」に対しても賠償金を請求できる可能性があります。


交通事故は、運転者と事故の相手方が共同で引き起こしたものであり「共同不法行為」となるからです。共同不法行為が成立する場合、共同不法行為者同士の関係は「連帯債務」になります。


そこで被害者は共同不法行為者のどちらに対しても全額の損害賠償請求が可能です。本件の場合にも、事故の相手方と夫の両方に対し、基本的に全額の損害賠償を求められます。




◆無償同乗による減額


ただし本件のように誰かの車に乗せてもらっていて交通事故に遭った場合、運転者に対する損害賠償請求は一定程度減額される可能性があります。


そもそも無償で車に乗せてもらっていたのは、運転者の好意によるものです。その好意に甘えておきながら、事故が発生したら全額の賠償金を請求するのは都合がよすぎるのではないか?という考えがあるためです。


このような考え方を「無償同乗」「好意同乗」といい、賠償金が一定割合で減額されるケースがみられます。


ただし近年では、「単に車に乗せてもらっていた」というだけで無償同乗による減額が行われるケースは減っています。それでも減額されるのは、以下のようなケースです。


同乗者が事故発生の危険を高めていた

同乗者が運転者を煽ったり周囲の車とスピードを競わせたりして危険を発生させたり高めたりしていた場合です。この場合、同乗者にも事故発生の責任が認められるので、賠償金が減額されます。


同乗者が危険を受け入れていた

運転者が飲酒しているのを知りながらあえて同乗した場合など、同乗者が危険を受け入れていたとみなされると損害賠償金を減額されます。


本件では、夫に特に飲酒などの問題行動がなく、同乗していた妻が夫の危険な運転を煽ったといった事情もないでしょうから、夫に請求する賠償金が減額される可能性は低いと言えるでしょう。




交通事故では、事故の相手方以外の人に賠償請求できる事案も意外とたくさんあるものです。


損害賠償請求の相手方の選択に迷われたときには、弁護士がアドバイスをいたしますのでお気軽にご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


交通事故に遭った場合に、修理箇所の永久保証はつけられますか?

2019年10月11日

交通事故に遭った場合に、修理箇所の永久保証はつけられますか?


保険会社と提携している指定修理工場を利用すると、オーナーが代わるまでの間「永久保証」をつけてもらえるケースがあります。


交通事故 : 永久保証


◆永久保証をつけられる場合とつけられない場合について


事故で車が壊れて修理に出すとき、故障箇所によっては「できれば保証をつけてほしい」と考えることがあるものです。


事故車の修理の際、永久保証をつけることはできるのでしょうか?


永久保証をつけられるかどうかは、保険会社の対応や修理先の工場によって異なります。そもそも修理工場が永久保証サービスを行っていなければ、保証をつけることは不可能です。


また永久保証サービスがあっても、別途料金が発生する場合には保険会社が負担してくれない可能性があります。被害者の自己判断によって追加費用を払って永久保証をつけた場合、その費用については保険会社が支払いを拒絶する可能性があるので事前の確認が必要です。




◆指定修理工場であれば無償で永久保証をつけられる可能性がある


最近、保険会社が修理工場との提携関係を進め「指定修理工場」として被害者に利用を勧めているケースがみられます。


こうした指定修理工場を利用すれば、多くのケースで永久保証がつけられます。その場合、別途費用は発生しないので、スムーズに保証を受けることができるでしょう。


また修理費用の割引きや無料の洗車、納車サービスなどを利用できる保険会社もあります。



◆永久保証が続く期間について


指定修理工場で永久保証を受ける場合、「永久」とは言っても実際には期間制限があるので注意が必要です。


通常は「ワンオーナー」すなわち事故当時の所有者が車を所有する間に限った補償となります。中古車として次のオーナーに譲ったり家族間で名義を換えたりすると保証はきかなくなります。



◆サービスの有無や内容は保険会社に確認する必要がある


すべての保険会社が指定修理工場の制度を導入しているわけではありません。また指定修理工場があるとしても、永久保証サービスがついているのかどうか、保証期間などもケースバイケースです。


車を修理する前に保険会社にどういった制度を利用できるのか、確認する必要があるでしょう。




事故車を修理に出すとき、できれば永久保証など有利な条件をつけてもらえる方がありがたいものです。


まずは保険会社に対し、提携修理工場の存在や指定修理工場の制度がないか、確認してから修理を進めましょう。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

営業車が事故に遭いました。代車は借りられますか?

2019年10月08日

営業車が事故に遭いました。代車は借りられますか?


代車を借りることは可能です。その場合、自社でレンタカーなどを借りて、後に保険会社へレンタカーにかかった費用を請求します。ただし代車使用料が認められるのは、事故車の修理に必要な期間のみです。また事故車と同等のランクである必要はないと考えられています。


交通事故 : 代車


◆事故で車を使えない場合、代車を借りられる


交通事故に遭って車の修理が必要になると、修理に出している間は車を使えなくなります。特に営業車の場合、その間営業ができなくなると営業損失も発生してしまいます。


そこで営業車が破損して修理に出す場合には、修理に出している期間中に代車を利用することが認められます。その際に発生するレンタカー代については、交通事故によって発生した損害の一部として、相手の保険会社に請求できます。




◆遊休車がある場合には借りられない可能性がある


ただし会社によっては、事故車以外に使っていない遊休車を所有している場合もあるでしょう。遊休車があるならそれを使って営業できるので、わざわざ代車を借りる必要はありません。自己判断で代車を借りることは自由ですが、代車費用の請求は認められない可能性が高くなります。



◆代車費用が認められる期間


代車費用を請求できるケースでも「いつまで代車使用が認められるか」という「期間」には注意が必要です。これについては、基本的に「代車使用の必要性がある期間」に限定されます。すなわち「修理に必要な期間」のみ代車費用を請求できると考えましょう。


修理が済んだ後もレンタカーを借りていた場合や、被害者側の事情で修理期間が長引いた場合などには、代車費用を全額請求できない可能性があります。



◆代車のランクについて


営業車の場合、お客様に与える印象などもあるので高級車を利用しているケースがあるものです。その場合、代車も同じように高級車を利用したいと考える事業主様もおられるでしょう。


しかし代車のランクは、通常一般の普通車両に相当するものとなります。外車や高級車を借りても通常一般のランクの代車費用しか出ないので、差額を自己負担しなければならない可能性が高くなります。


なお、営業車が事故に遭ったために一切営業できなくなった場合には、営業損失として相手に賠償金を請求できる可能性もあります。




営業車が事故に遭ったとき、代車使用期間や代車のランクなどの点で保険会社とトラブルになる事例がみられます。


代車費用を負担したのに保険会社に払ってもらえず自己負担となったら損失が発生します。不利益を避けるため、判断に迷われたときには一度弁護士までご相談下さい。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


配送中のトラックが事故に遭いました。保険会社と交渉するにあたり、注意することがありますか?

2019年10月02日

配送中のトラックが事故に遭いました。保険会社と交渉するにあたり、注意することがありますか?


配送用のトラックが事故に遭った場合、積荷の損害が発生する可能性があります。積荷の損害も基本的には賠償の対象ですが、相手にとって予想外に高額な物品が積み込まれていた場合などには賠償の対象から外れる可能性があります。また積荷を評価するときには、卸売価格(時価)を基準に計算するのが一般的です。


交通事故 : 積荷損害


◆配送用トラックの事故で発生する損害


トラックが交通事故に遭うと、トラック本体が破損する可能性があります。その場合、トラックの修理費用を請求できるのは当然ですしわかりやすいでしょう。


ただし配送用トラックの場合には、これとは別に「積荷損害」が発生するケースがあるので注意が必要です。事故の衝撃で積荷が破損したり傷んでしまったりするためです。


積荷の損害も事故によって発生した損害として、相手に請求できる可能性があります。

ただし必ず請求できるとは限らないので、以下で積荷損害が認められるケースと認められないケースを分けてみていきましょう。




◆積荷の損害が認められる場合と認められない場合


積荷の損害が認められるケース

配送用トラックが事故に遭ったら、積荷に損傷が及ぶことは通常予測の範囲内です。そこで、通常トラックで配送されるような性質の荷物が積載されて破損した場合、全額が損害賠償の対象になります。

たとえば食品や部品、製品、商品などいろいろな積載物が考えられますが、損壊したら相手に賠償請求できます。


積荷の損害が認められないケース

一方、通常はトラックに積載していないような予想外に高額なものを積み込んでいるケースでは、事故の相手にとって高価品が積載されていることを予測することが困難です。


そこで、事故と積荷損害との因果関係が認められず損害賠償できなかったり、請求額を減額されたりする可能性があります。


たとえば通常の配送トラックで数億円もする宝飾品を運んでいたような場合には全額の賠償は困難です。



◆荷物の評価方法について


積荷損害が発生した場合、損害額をいくらと評価すべきかも問題です。

通常は「再調達価格」と言って「同じものを調達するのにいくらかかるか」を基準とするケースが多数です。商品などの場合、卸売価格と販売価格のどちらを採用すべきかが問題となりがちですが、基本的には卸売価格を用いて計算します。



◆積荷の一部が破損した場合


また積荷のうち、一部のみの破損の場合には破損した部分のみの請求が可能です。必ずしも積んでいた荷物全部についての損害賠償はできないので注意が必要です。


運送会社や個人で運送業を営まれている方は、参考にしてみてください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


交通事故で妻と死別しました。私と妻の間には3人の子どもがいます。妻の死亡については誰が損害賠償を請求できるのでしょうか?

2019年09月17日

交通事故で妻と死別しました。私と妻の間には3人の子どもがいます。妻の死亡については誰が損害賠償を請求できるのでしょうか?


本件では、あなたと3人のお子様が損害賠償請求をすることが可能です。ただし現実に保険会社と示談交渉を進める際には、相続人の代表者を定めてその代表者が話し合いを進めます。
お子様が未成年の場合、受けとった賠償金を分けるときには家庭裁判所で特別代理人の選任を申し立てる必要があります。3人とも未成年の場合には、それぞれ個別に特別代理人が必要です。


交通事故 : 損害賠償請求権


◆損害賠償請求権を相続する人


死亡事故の場合、加害者への損害賠償請求権は「相続人」へと相続されます。


ご相談のようなケースでは、配偶者である夫と3人の子どもが相続人となるので、この4人が損害賠償請求権を取得します。


損害賠償請求権は法定相続分に従って分割承継されるので、それぞれが法定相続分に応じた損害賠償請求(夫が2分の1、子どもたちがそれぞれ6分の1ずつ)を行えるのが原則です。




◆示談交渉を進める際には代表者を定める必要がある


ただし現実には、保険会社は個々の相続人による個別の請求に対応していません。相続人の代表者を定めて示談交渉をするよう求めてきます。


ご相談のケースでも、夫か3人の子どものうち誰か一人を選んで示談交渉を進める必要があります。



◆未成年と特別代理人


子どもが未成年の場合には、違った問題が発生します。未成年者は単独で有効な法律行為ができないので、法定代理人による同意や代理による行為が必要だからです。具体的には示談交渉やその後の遺産分割協議の際、代理人が必要です。


未成年者の代理人になるのは、基本的には「親権者」です。しかし父と子どもが双方とも相続人になる場合、遺産分割協議の場面において未成年者と親権者である父親との間に利害対立が発生します。


父が多くの遺産を獲得すれば子どもの取得分が少なくなり、子どもの取得分が多くなれば父の取得分が多くなり、利益が相反するからです。


このような場合父には子どもの代理権が認められず、家庭裁判所で「特別代理人」を選任しなければなりません。子どもが3人とも未成年の場合、3人の子ども全員について別々の特別代理人が必要です。


家庭裁判所に申し立てをして特別代理人が選任されたら、その特別代理人に署名押印してもらうことによって遺産分割協議を成立させ、遺産分けが可能となります。


利益相反する場合、父親だからといって勝手に未成年の子どもの代理で遺産分割協議書に署名押印をしても無効になるので注意が必要です。




子どもを抱えて奥様がお亡くなりになると、事故対応をはじめとしていろいろな困難があるものです。弁護士であれば法的な側面から支援し示談交渉を代行することなども可能ですので、一度お気軽にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


相手保険会社から交通事故の後、承諾書という書面が送られてきました。承諾書と示談書は何が違うのですか?

2019年09月10日

相手保険会社から交通事故の後、承諾書という書面が送られてきました。承諾書と示談書は何が違うのですか?


承諾書は、署名押印した人が書面の内容を受け入れたことを明らかにするための書類です。交通事故の場合、被害者が示談金に納得したことを証明するために承諾書に署名押印します。
示談書は、署名した当事者が示談の内容に納得していることを明らかにするための書類です。交通事故の場合、損害賠償の方法に納得した被害者と加害者の双方が署名押印します。
どちらも効果としてはほとんど同じですが、承諾書の場合には被害者のみが署名押印、示談書の場合には加害者と被害者が両方署名押印する違いがあります。


交通事故 : 承諾書 示談書


◆承諾書とは


承諾書とは、署名押印した人が「書面の内容に納得して受け入れた」ことを表す書面です。


交通事故では、被害者が加害者の保険会社に対して差し入れます。このことで、保険会社が被害者に支払う保険金の額が確定し、保険会社が安全に支払いをすることが可能となります。


承諾書が差し入れられなければ、保険会社が支払った後に被害者が追加請求するおそれがあるので、支払いに応じられません。


承諾書は被害者が一方的に納得する書類なので、署名押印するのは被害者のみです。加害者本人や加害者の保険会社はサインしません。




◆示談書とは


示談書は、署名押印した両当事者が「書面の内容の契約に納得して合意した」ことを示す書面です。


交通事故では、被害者と加害者の双方が署名押印します。このことでお互いが損害賠償金の内容について納得したことが明らかになり、保険会社が安全に支払いをできるようになります。



◆承諾書と示談書の違い


このように、承諾書も示談書も効果はほとんど同じです。ただし承諾書は被害者しか署名押印しませんが、示談書には被害者と加害者の両名が署名押印します。


また示談書の場合、加害者も署名押印をするので、加害者も内容に拘束されます。一方被害者が承諾書を書いただけでは加害者における義務は発生しません。



◆承諾書を利用するケースとは


被害者が承諾しただけでは加害者に対する義務が発生しないので、当事者同士で示談するときに承諾書を利用するのは危険です。承諾書作成後、加害者が「私はその金額に合意していない」と言い出して払ってくれない可能性があるからです。


自分達だけで示談する場合、必ず示談書を作成して加害者にも署名押印させましょう。


承諾書が利用されるのは、保険会社が支払いをするケースです。保険会社が支払いをする場合、定まった金額は通常確実に支払うので、加害者に署名押印させる必要性が小さくなります。


またいちいち被害者と加害者の両名に署名押印させるのは手間になるので承諾書を利用することで手続きを簡略化しています。




交通事故処理を進める際には、多種多様な書類が登場するので混乱してしまう方もおられます。


書面の意味がわからないときには、署名押印する前に弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


相手の休業損害の提示金額が自賠責の基準を下回っていました。自賠責の基準を下回ることは許されませんよね?

2019年09月06日

相手の休業損害の提示金額が自賠責の基準を下回っていました。自賠責の基準を下回ることは許されませんよね?


加害者の任意保険会社が自賠責基準を下回る休業損害額を提示してきた場合でも、被害者が承諾すればその内容は有効となります。任意保険会社が必ず自賠責保険よりも高額な提示をしなければならないルールはありません。自賠責基準より低い金額の提示をされたら、そのまま受諾せずに交渉によって増額してもらいましょう。


交通事故 : 自賠責の基準


◆自賠責保険より低い金額での示談も有効


一般的に、自賠責保険は被害者への最低限の保障をするための保険であり、任意保険はその上乗せを行うための保険というイメージがあります。


そこで「任意保険が提示する金額は、自賠責保険の基準を下回ることがない」と思われているケースもあります。しかし実際には、「任意保険会社との示談金額が自賠責保険基準より低くてはいけない」というルールはありません。当事者さえ納得していれば、自賠責基準より低い金額での示談も有効です。


いったん合意したら、後になって「自賠責基準より低い金額だから無効」と主張しても、示談のやり直しを求めることは不可能です。




◆相手が自賠責保険より低い金額を提示した場合の対処方法


相手の休業損害提示額が、自賠責基準より低額な場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?


その場合、「自賠責基準では○○円となるはずなので、最低限そこまでは増額してほしい」と伝えましょう。


たとえば休業損害の場合、自賠責基準によると1日あたり5700円が基準とされています。ただし給与明細書や源泉徴収票などで現実の収入を証明できる場合、現実の収入額を基準にできます(ただし1日あたり19000円が上限です)。


たとえば主婦などで1日あたり5700円を下回る金額を提示されていたら5700円までは増額を求められますし、サラリーマンなどで実際の源泉徴収票によって収入を証明できているのに5700円を提示されていたら、現実の収入ベースまで増額可能です(ただし1日19000円が限度です)。



◆自賠責基準より高額な弁護士基準について


交通事故の休業損害計算基準としては、自賠責基準より高額な「弁護士基準」もあります。弁護士基準で休業損害を計算すると、主婦の場合などには1日あたり1万円程度となりますし、サラリーマンや自営業の方の場合などでは1日あたり19000円の上限が外れて現実の収入が全額考慮されます。


弁護士基準を適用することによって休業損害が大きく増額される方も数多くいらっしゃいます。




任意保険会社と示談交渉を進めるとき、相手の言うままに示談すると不利益になる可能性があります。示談書に署名押印する前に、一度弁護士までご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


クロス払いと相殺払いとは何ですか?

2019年09月04日

クロス払いと相殺払いとは何ですか?


クロス払いとは、交通事故の当事者がそれぞれ相手に損害賠償金を支払い合うこと、相殺払いとは、交通事故の当事者が互いの損害賠償請求権を相殺し、一方のみが残額を支払うことです。事故の当事者がお互いに保険に入っていたら、通常クロス払いが行われます。


交通事故 : クロス払い 相殺払い


◆クロス払いとは


交通事故が起こったとき、事故の当事者双方に過失があるケースも多々あります。その場合、お互いが相手に損害賠償金を払わねばなりません。


その際、お互いが相手に現実に支払いをする方法を「クロス払い」といいます。


たとえばAさんとBさんが事故に遭い、Aさんには30万円の損害が発生し、Bさんには70万円の損害が発生したとします。AさんとBさんの過失割合は4:6としましょう。その場合、AさんはBさんに28万円、BさんはAさんに18万円を払わねばなりません。


AさんがBさんに現実に28万円を送金し、BさんがAさんに実際に18万円を送金するのが「クロス払い」です。


クロス払いの場合、お互いに振込手数料を負担しなければなりませんし面倒な点がデメリットとなります。両当事者に保険会社がついている場合には、通常保険会社は現実に振り込みを行い、クロス払いとなります。




◆相殺払いとは


相殺払いは、お互いの損害賠償債権を「相殺」して、一方がその残額のみを支払う方法です。


一方しか支払いをしないので、他方(負担額が少ない方)の振り込みにかかる手間を省くことが可能です。また「相手の不払い」のリスクを減らすこともできます。


例を出してみてみましょう。


先ほどと同様の事例で、AさんがBさんに28万円、BさんがAさんに18万円を支払わねばならない状況とします。このとき相殺払いなら、お互いの債務を相殺して、AさんがBさんに10万円(28万円−18万円)を支払うことによって解決します。


そうすれば、BさんはAさんへ支払う必要がなく手間を省けますし、Aさんとしても「支払いをしてもBさんから18万円を支払ってもらえないかもしれない」リスクをなくせます。



◆相殺払いをするには両者の合意が必要


現行民法では、不法行為に基づく損害賠償請求権を当然に相殺することは認められていません。民法改正により、物損については相殺の対象にできるようになりますが、人身損害についてはやはり当然には相殺の対象にできないままです。


このように、法律によって相殺を制限される場合には、お互いが相殺の合意をすることによって相殺を実現する必要があります。保険会社同士がやりとりする場合にはクロス払いを行うので問題にはなりませんが、当事者同士で和解する場合などには合意によって相殺払いを利用するとよいでしょう。




交通事故の示談の方法には、法律的な視点から工夫できるポイントがあるものです。弁護士が知恵をお貸ししますので、お気軽にご相談ください。


(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >
プロフィール
よつば総合法律事務所
千葉県最大級の法律事務所。弁護士16名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
柏事務所:千葉県柏市(柏駅徒歩3分)
千葉事務所:千葉市(千葉駅徒歩3分)
東京事務所:千代田区(東京駅徒歩5分及び二重橋駅徒歩2分)

千葉で交通事故に強い弁護士の無料相談サイト

メールでのお問い合わせ
2019年 11月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事