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交通事故知識ガイド損害賠償額の計算方法

逸失利益の計算

交通事故における損害賠償請求・保険金請求の場合、逸失利益という言葉が出てきます。逸失利益という概念は法律上争いがありますが、ここでは、具体的にどのように逸失利益を計算するのかについて解説します。

1. 逸失利益の計算1 後遺障害等級の認定がされていること

逸失利益の計算をするに当たっては、後遺障害の認定がされていることが前提です。後遺症非該当の場合には、逸失利益は原則として発生しません。

2. 逸失利益の計算2 年収額を計算すること

原則として、事故前の現実の収入に基づいて計算します。将来、現実の収入額以上の収入を得られる立証があれば、その金額が算定の基本となる収入になります。
資料としては、給与明細・源泉徴収票等で計算していきます。賃金センサスという特殊な表を使用することもあります。

3. 逸失利益の計算3 労働能力喪失率を計算すること

どのような後遺症によってどの程度の労働能力喪失率かが決まります。逸失利益の計算をするに当たっては、労働省労働基準局長通牒別表労働能力喪失率表を参考にして割合を計算します。
例えば、むちうち症で局部に神経症状を残すもの(14級9号)に該当する場合には、労働能力喪失率は5%として計算します。両眼の視力が0.6以下(9級1号)になった場合には、労働能力喪失率は35%として計算します。
このように残ってしまった症状により、どのくらいの割合働けなくなるかということをある程度定型化して考えられています。

4. 逸失利益の計算3 労働能力喪失の期間

上記の年収額×労働能力喪失率に年数をかけます。症状によって個別具体的に異なりますので、弁護士等の法律の専門家に問い合わせた方がいいかもしれません。
例えば、むちうち症の場合には、一般には5年位の年数として逸失利益を計算することが多いと思います。

5. 逸失利益の計算4 ライプニッツ係数

これは、損害の計算のための特殊な数値です。現在のお金は、例えば1年後は1年分の法定利率を付加した金額となり、増額するものと考えます。このように将来の時点でのお金の価値と現在の時点でのお金の価値には差がありますので、その差額を計算するための特殊な数値です。

6. 逸失利益の計算5 神経症状の場合

神経症状を理由とする14級9号、12級13号の症状の場合、14級で5年、12級で10年程度に逸失利益の期間が制限されることがあります。これは、少しずつ神経症状については緩和されてくることが理由としてあります。この点、保険会社は任意の交渉の場合、逸失利益の計算について、14級で3年、12級で5年程度に少なくして計算してくることがあるので注意が必要です。

ここでは、逸失利益の計算方法の一般的な事項について解説しました。逸失利益の計算は複雑な計算になることが多く、また、保険会社の提示してくる金額は、裁判所で認められるであろう金額よりも相当少ないことが予想されます。

逸失利益の計算については弁護士等の法律の専門家にご相談されることをお勧めします。

【動画で見る交通事故】逸失利益の計算方法

今回は「逸失利益の計算方法」を説明します。
(解説 : 弁護士 川﨑 翔)