HOME > 後遺障害・等級 > 後遺障害について今までにあった質問に回答します
このエントリーをはてなブックマークに追加

後遺障害について今までにあった質問に回答します

2022年09月14日

文責:弁護士 大澤一郎
最終更新日:2022年9月29日


Q. 交通事故の後遺症とは普通の後遺症と定義が違うのでしょうか?



後遺症(後遺障害について)


交通事故における後遺症という言葉の意味は普通の意味で使われている後遺症という意味と少し違うと思います。
そのため、弁護士が使う後遺症という言葉の意味についても注意が必要です。

法律的な意味における後遺症(後遺障害)とは、医師が診断書において「症状固定日」として記載した日において残存している症状のことを言うことが多いです。一定程度重い症状が残っていて始めて、後遺障害等級として認定がされます。

後遺症として非該当という判断がされてしまった場合には、異議申立を行うこともできます。
しかし、どちらかというとお勧めなのは、後遺障害の診断書を保険会社に提出する前にきちんと弁護士と相談をした上で、後遺障害の診断書に記載もれはないかどうか、診断の前提となる検査が終了しているかどうか等を確認した方がいいと思います。

後遺障害認定と弁護士への相談について


後遺障害が残りそうな事故の場合、どの時点で弁護士に連絡すべきなのでしょうか?

弁護士によって意見はあると思いますが、私は事故後早めに一度弁護士に連絡をすることをお勧めしています。
確かに、その時点では具体的な損害額の計算はまだでき ませんし、訴訟を起こすこともできません。

しかし、今後、どのような経緯で手続きが進んでいくかの点、後遺障害認定のポイントの点等について一度事前に弁護士に聞いておくだけで、今後の見通しがわかりやすくなるかもしれません。
また、今後、実際に後遺症の申請をする際にも、一度会った弁護士であれば早急に適切なアドバイスをすることが期待できます。

事故後すぐのご相談をお勧めします!


後遺症が残る可能性のある事故の場合、私たちの事務所では、「事故後すぐに弁護士に相談すること」をお勧めしています。
病院での初期対応、警察への初期対応、保険会社との初期対応を間違ってしまうと、最終的に得られる保険金額が一桁変わってしまうこともあります。

相談したからといってすぐに弁護士に実際に依頼する必要まではありません。
しかし、知らなかったばかりに損をしてしまうということだけは絶対に避けて欲しいと私たち弁護士は考えています。
(なお、特に弁護士費用特約がある場合には、実際の弁護士費用は保険会社から支払されますので、事故後早い段階での弁護士への依頼をお勧めします。)



Q. 後遺症(後遺障害)について相談する段階別・弁護士からアドバイスしてもらえることは?



1 事故直後について


後遺症についての一般的な説明や該当しうる後遺症の可能性、後遺症に該当した場合に支払われる金額の概算等についてのアドバイスが可能です。

この段階ではまずは治療に専念することが必要です。保険会社との間での治療費の支払方法についての調整や車両間の事故であれば物損についての示談交渉も可能です。

2 治療が一段落した段階について


医師から治療について一段落したというような話が出た場合、具体的な後遺症についての話となっていきます。医師に後遺障害診断書の作成を依頼することになりますが、この際に実際の症状があるにもかかわらず診断書に記載のない事項がないかどうか等について一度法律事務所に相談した方がよいと思います。

後遺症の診断書に記載のない事項について後で裁判所で主張することも不可能ではありませんが、保険会社からは「後遺症の診断書に記載がない事項なので後遺症であることの証明がない」という反論がされてしまうことがあります。

3 後遺症の認定が出た段階について


後遺症の認定の理由についての資料を検討の上、異議申立をすべきかどうかについての判断をする必要があります。法律事務所への相談をした方がいいでしょう。

4 後遺症の認定について異議申立をしない場合


後遺症の認定自体については異議申立をしない場合、その時点における後遺症を前提として法律事務所が保険会社と交渉をしたり、民事訴訟を提起したりします。この場合には弁護士への相談が必要です。



Q. 後遺症(後遺障害)について弁護士事務所ができることはどのようなものでしょうか?



  1. 後遺症についてどの後遺障害に該当すればどのような損害賠償額になるかについての法的なアドバイスが弁護士事務所は可能です。
  2. 後遺症についての診断書を保険会社に提出する前に見せていただければ、後遺症について事実を正しく記載した後遺障害診断書の作成のアドバイスをすることが弁護士事務所は可能です。(ただし、診断書は主治医が記載するものですから主治医の診断を尊重する必要があります。)
  3. 後遺症についての認定結果に異議があれば、認定結果について異議申立をすることが弁護士事務所は可能です。(ただし、異議申立の方法によるよりも、保険会社に後遺障害の診断書を提出する前に正しい内容の後遺症の診断書を医師に作成してもらう方が望ましいと言えるでしょう。)
  4. 後遺症についての認定結果を前提とした保険会社との交渉が弁護士事務所は可能です。
  5. 後遺症に限らず、逸失利益、過失相殺、慰謝料、休業損害等についての法律的な判断についてのアドバイスが弁護士事務所は可能です。
  6. 訴訟・裁判を提起し、裁判所での和解をしたり、判決を取得したりすることが弁護士事務所は可能です。




Q. 後遺症(後遺障害)が認定され、保険会社から提示された慰謝料に納得できません。弁護士に依頼すると慰謝料が増額するって本当ですか?


後遺症が認定された場合、その後遺症に応じた慰謝料の支払がされます。
この金額は自賠責保険の慰謝料基準・任意保険の慰謝料基準と裁判所の慰謝料の基準の平均値では大幅な開きがあります。

裁判で認められる慰謝料の標準値


後遺症等級標準値
第1級2,800万
第2級2,370万
第3級1,990万
第4級1,670万
第5級1,400万
第6級1,180万
第7級1,000万
第8級830万
第9級690万
第10級550万
第11級420万
第12級290万
第13級180万
第14級110万


さて、皆様が保険会社から提示された後遺症の慰謝料額と比べていかがでしたでしょうか。

通常、保険会社は裁判基準と同額か、裁判基準より少ない後遺障害慰謝料の額を提示してきます。(経験上、保険会社が裁判前に提示してくる慰謝料の金額が裁判基準の慰謝料の金額を越えていることはほとんどありません。)

とすれば、特に重度の後遺症を負っている場合、弁護士に依頼をして訴訟を提起した方が、一般には慰謝料として受領できる金額が高額になるのです。

後遺症の慰謝料の額を決めるにあたっては、当然ですが、後遺症が後遺障害等級何級に該当するかどうかが一番重要になってきます。

その場合、後遺症認定のためには、事故後すぐの段階から治療方針を明確にたてて、最終的な後遺症認定のための努力をするということが一番確立の高い方法です。
特に弁護士費用特約に加入している場合には、弁護士費用の負担は300万円まではありませんので、早めに弁護士に相談・依頼した方がいいでしょう。



Q. 後遺症の等級についておしえてください。又、労災の等級と同じでしょうか?



後遺症の等級は自動車損害賠償保障法施工令の別表の1、別表の2として定められています。
この後遺障害別等級表は、労災の等級表と原則として一致しています。

近時の後遺症の等級の改訂について


平成14年4月1日、平成16年7月1日、平成16年10月15日、平成18年4月1日、平成22年6月10日に後遺障害別等級表は改訂されています。古い事故の場合には、どの後遺症にどの等級表が使用されるのかを確認することが必要です。

後遺症の等級については定期的な改訂があります。
例えば外貌醜状については、違憲判決が出たことを受けて男女を平等に扱うという改訂がなされています。

また、違憲判決を受けて、今までになかった新たな等級を新設するということがなされているということもあります。常に最新の等級と事故時点での等級をよく調査して、間違いがないかどうか確認することが大切です。

後遺症の等級表の種類について


後遺症の等級表においては別表1、別表2の2つの等級表が定められています。

別表1は介護を要する後遺障害者、特に遷延性意識障害者に対する介護を想定してその救済を充実させる必要があるために自賠責の保険金額を引き上げたものです。

別表2は労働者災害補償保険法施行規則に定められている表です。

後遺症の等級の具体例について


例えば、神経系統の障害については以下のような後遺症の等級が定められています。

別表第1(後遺症)
第1級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの

別表第2(後遺症)
第3級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
第5級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第7級神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
第9級神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
第12級局部に頑固な神経症状を残すもの
第14級局部に神経症状を残すもの




Q. 後遺障害の等級認定を求める方法をおしえてください


後遺障害の等級認定を求める方法は2通りあります。
1つは加害者の自賠責保険会社に対して請求して等級認定を求める方法です。(被害者請求)
もう一つは加害者側の任意保険会社に資料を提出する方法です。(事前認定)

どちらの方法であったとしても、実際の認定は、公法人である損害保険料率算出機構が行います。

後遺症の等級認定に対して不服がある場合


認定されたが内容に不服がある場合、または後遺症が認定されなかった場合には後遺症の等級認定に対する異議申立をすることができます。

この場合、ただ結果に納得できないと言って異議の申し立てをしたとしても、結果が変わる場合は少ないと思います。きちんと医学的な根拠のある資料を準備して提出することが必要でしょう。

後遺症の等級認定と異なる認定が裁判所でなされる場合


事例としては珍しいケースですが、損害保険料率算出機構による後遺症の等級認定と異なる認定が裁判所においてなされることがあります。
ただし、裁判所は特別の事情がない限りは、既に損害保険料率算出機構によって提示された認定に基づいて判決をします。

後遺症の等級認定の異議申立方法


後遺症の等級認定の異議申立方法には2つの方法があります。

損害保険料率算出機構に申立をする方法が1つです。
もう1つは、財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構に申立をする方法です。

自賠責保険・共済紛争処理機構への異議申立は1度しかできませんが、今までの等級に納得できない場合には、裁判以外では最後の異議申立方法となります。また、別途裁判を行うことにより等級認定を争う方法もあります。

後遺症の等級は自動車損害賠償保障法施工令の別表の1、別表の2として定められています。この後遺障害別等級表は、労災の等級表と原則として一致しています。



Q. 後遺症(後遺障害)として認定されやすいポイントはあるのでしょうか?


後遺症として認定されるポイントについて


後遺症(後遺障害)としてきちんと認定されるポイントは「事実を正しく医師に記載していただく」ということです。

後遺症の認定にあたっては、後遺障害診断書の記載が重要な意味を持ちます。また主治医の作成したカルテ・意見書も重要な意味を持ちます。そこで、きちんと医師が正しく事実を記載できるよう医師と協力しながら治療を進めて行くことが必要です。

後遺症の認定のための後遺障害診断書は医師しか作成できません


後遺症を記載した後遺障害診断書は医師のみが作成可能です。柔道整復師の先生、鍼灸師の先生などは作成ができません。
後遺症の診断のためには医師による診断書の作成が必要です。

後遺症の認定のための診断書のひな形はきまっています


後遺症の認定のために医師が作成する診断書は書式が決まっています。その書式にしたがった内容で事実を正確に記載することで後遺症の認定を正しく受けることができるようになります。

後遺症の認定は一番重要なポイントです


個別具体的な事情にもよりますが、一般には後遺症の認定がされるかどうか、認定されるとしてどのような認定がされるかどうかは交通事故の損害額を算定するに当たって一番重要な要素です。

後遺症の診断書を保険会社に提出する前に一度弁護士等の法律の専門家に見てもらうということがよいかもしれません。

後遺症の認定のためには、後遺障害診断書以外の書類も必要です


後遺症の認定のためには、症状によっては後遺障害診断書以外の書類が必要となる場合があります。

例えば、腰椎・頚椎の神経症状の場合には、頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について、神経学的所見の推移についてといった書類を医師に作成してもらう必要があります。

また、高次脳機能障害の場合にも、色々な書類を医師に作成してもらう必要があります。症状の内容によって、必要な書類が異なってくるのです。



Q. 後遺症と自賠責保険の基準についておしえてください


ここでは、後遺症と自賠責の等級表について以下記載します。
(平成18年4月1日以降に発生した交通事故用)
別表1

自賠責保険の後遺障害等級表


等級後遺障害自賠責保険金額労働能力喪失率
1級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
4,000万円100/100
2級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3,000万円100/100

別表2
等級後遺障害自賠責保険金額労働能力喪失率
1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼および言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢を肘関節以上で失ったもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
3,000万円100/100
2級
  1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
  2. 両眼の視力が0.02以下になったもの
  3. 両上肢を手関節以上で失ったもの
  4. 両下肢を足関節以上で失ったもの
2,590万円100/100
3級
  1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
  2. 咀嚼または言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失ったもの
2,219万円100/100
4級
  1. 両眼の視力が0.06以下になったもの
  2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失ったもの
  4. 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
  5. 1下肢をひざ関節以上で失ったもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失ったもの
1,889万円92/100
5級
  1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
  2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 1上肢を手関節以上で失ったもの
  5. 1下肢を足関節以上で失ったもの
  6. 1上肢の用の全廃したもの
  7. 1下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失ったもの
1,574万円79/100
6級
  1. 両眼の視力が0.1以下になったもの
  2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
  4. 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  5. 脊柱に著しい奇形又は運動障害を残すもの
  6. 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
  7. 1下肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
  8. 1手の5の手指又はおや指を含み4の手指を失ったもの
1,296万円67/100
7級
  1. 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下のなったもの
  2. 両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  3. 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 1手の親指を含み3の手指を失ったもの又は親指以外の4の手指を失ったもの
  7. 1手の5の手指または親指を含み4の手指の用を廃したもの
  8. 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
  9. 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  10. 1下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  12. 女子の外貌に著しい醜状を残すもの
  13. 両側の睾丸を失ったもの
1,051万円56/100
8級
  1. 1眼が失明し、又は1眼の視力が0.02以下になったもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 1手の親指を含み2の手指を失ったもの又は親指以外の3の手指を失ったもの
  4. 1手の親指を含み3の手指の用を廃したもの又は親指以外の4の手指の用を廃したもの
  5. 1下肢を5センチメートル以上短縮したもの
  6. 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
  7. 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
  8. 1上肢に偽関節を残すもの
  9. 1下肢に偽関節を残すもの
  10. 1足の足指の全部を失ったもの
  11. 脾臓又は1側の腎臓を失ったもの
819万円45/100
9級
  1. 両眼の視力が0.6以下になったもの
  2. 1眼の視力が0.06以下になったもの
  3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解するこ
    とができない程度になったもの
  8. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程
    度になり、他耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
  9. 1耳の聴力をまったく失ったもの
  10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 1手のおや指又は親指以外の2の手指を失ったもの
  13. 1手の親指を含み2の手指の用を廃したもの又は親指以外の3の手指の用を廃したもの
  14. 1足の第1の足指を含み2以上の足指を失ったもの
  15. 1足の足指の全部の用を廃したもの
  16. 生殖器に著しい障害を残すもの
616万円35/100
10級
  1. 1眼の視力0.1以下になったもの
  2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
  4. 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの
  6. 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの
  7. 1手のおや指又は親指以外の2の手指の用を廃したもの
  8. 1下肢を3センチメートル以上短縮したもの
  9. 1足の第1の足指又は他の4の足指を失ったもの
  10. 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
461万円27/100
11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 10歯以上に対し対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  6. 1耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 1手のひとさし指、中指又は薬指を失ったもの
  9. 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器に障害を残すもの
331万円20/100
12級
  1. 1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
  7. 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
  10. 1手のこ指を失ったもの
  11. 1手のひとさし指、中指又は薬指の用を廃したもの
  12. 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
  13. 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
  14. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  15. 男子の外貌に著しい醜状を残すもの
  16. 女子の外貌に醜状を残すもの
224万円14/100
13級
  1. 1眼の視力が0.6以下になったもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  5. 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 1手の小指の用を廃したもの
  7. 1手の親指の指骨の一部を失ったもの
  8. 1下肢を1センチメートル以上短縮したもの
  9. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指を失ったもの
  10. 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
139万円9/100
14級
  1. 1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
  4. 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
  7. 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
  8. 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの
  10. 男子の外貌に醜状を残すもの
75万円5/100

自賠責保険では、後遺症の内容によって労働能力喪失率が決められています。これは、逸失利益の算定をするにあたって、どの後遺症が残ったらどの位今後減収となるかということを一般的に計算したものです。
実際の交渉・裁判においては、必ずしも労働能力喪失率の通りの判断がされるわけではありませんが、自賠責保険の別表は1つの基準となります。



Q. 後遺障害における併合とは?等級認定のルールなどはあるのでしょうか?


後遺症の併合とは


交通事故の被害にあった場合後遺症(後遺障害)がいくつか同時に残ることがあります。例えば、足の怪我についての後遺症と眼の怪我についての後遺症等です。

このように複数の後遺症が合わさる場合を後遺症の併合と言います。

後遺症の併合についての扱い


(1)後遺症が2つ以上ある場合には、原則として重い方の後遺障害の等級によることとされています。

(2)ただし、13級以上の後遺症が2つ以上ある場合には後遺症の併合という扱いになり重い方の等級を一等級繰り上げて併合して計算することとなります。
例えば、13級の後遺症と12級の後遺症があった場合には12級を1つ繰り上げて併合11級の後遺症となります。

(3)第8級以上に該当する後遺症が2つ以上ある場合には後遺症の併合という扱いになり重い方の後遺症の等級を2級繰り上げて計算することとなります。

(4)第5級以上に該当する後遺症が2つ以上ある場合には後遺症の併合という扱いになり重い方の等級を3等級繰り上げて計算することになります。

上記の併合に該当しない場合


例えば、14級の後遺症が2つある場合などは後遺症の併合による等級の繰り上げという制度はございません。しかしながら、後遺症が2つある場合には1つしかない場合に比較して裁判での慰謝料が高額になる可能性があります。



Q. 後遺症が認定された場合の保険の請求についておしえてください


後遺症と保険について


交通事故が元で後遺症(後遺障害)を負ってしまった場合、後遺症について保険の請求をすることになります。
この場合自賠責保険と任意保険の2つの保険があります。

自賠責保険について


自賠責保険は車両の場合加入する義務がある保険です。後遺症による損害額全額ではありませんが、後遺症によって受けた損害のうち一部の金額が自賠責保険より支給されます。

任意保険について


大多数の車両は自賠責保険とは別に対人無制限の任意保険に加入しています。加害者が任意保険に加入している場合には、自賠責保険では足りない部分については任意保険の会社から保険金の支払いを受けることができます。

自賠責保険と任意保険の前後関係


自賠責保険と任意保険について、どちらに先に請求しなければならないという決まりはありません。
ただし、自賠責保険の場合には定額が早期に支給されますので、先に自賠責保険から保険金を受領した上で任意保険の請求をしたり、裁判の提起をしたりする方が多いです。

ご自身で加入されている保険について


後遺症が認定されるような事故の場合、ご自身が加入されている搭乗者傷害保険、人身傷害保険でも保険金が下りる可能性があります。(過失割合や相手が保険に加入しているかによって実際に保険金が下りるかどうかが変わってくる可能性もあります。

さらに、後遺症が認定されるような事故でない場合でも車両保険が使用可能な場合があります。ご自身で加入されている保険についても一度内容を検討することがよいと思います。



Q. 将来介護費とはどのようなものでしょうか?


将来介護費とは


将来介護費とは、後遺障害の症状固定時に介護が必要な後遺障害が残った場合の介護費です。
職業付添人を依頼する場合と家族等近親者が行う場合によって将来介護費の相場は異なってきます。

職業付添人の将来介護費


(1)判決によって開きがありますが、日額1万円から3万円台の間が多いです。
(2)最近では、後遺障害等級1級の場合に、日額1万5,000円から1万8,000円の間に認めたものが比較的増えています。
(3)日額2万円を超えるものについては、24時間体制での看視が必要な場合、複数の職業付添人が必要な場合など介護の負担が特に重い場合となります。

近親者付添人の将来介護費


判決によって開きがありますが、後遺障害等級1級、2級の事例では、概ね日額4,000円から1万円の範囲が多いです。

両者の区別について


職業付添人介護の必要性の蓋然性を判断する場合には、
(1)被害者の要介護状態(後遺障害の内容・程度、被害者の状態・生活状況、必要とされる介護等)、
(2)現在に至るまでの介護体制及び介護者、
(3)被害者と同居する近親者の有無及びその身体的な介護能力(年齢・体格・体調等)、
(4)被害者と同居する近親者の就労の有無、就労の意向、終了準備状況、就労の実績など
が判断要素として考慮されます。

将来介護費について


将来介護費については、保険会社との間において重大な争いとなることが多いです。将来にわたっての介護が必要な場合、今後のご家族の生活のことも考え、早めに弁護士等の専門家にご相談下さい。
【参考文献】赤い本2011年版「重度後遺障害の将来介護費の算定に関する諸問題」




Q. よつば総合法律事務所ではどのような人が無料相談の対象となりますか?


よつば総合法律事務所では、後遺症(後遺障害)の無料相談を行っています。無料相談の対象となる方は以下の条件の方です。
■死亡事故
■遷延性意識障害(植物状態)
■介護を必要とする後遺障害
■後遺障害等級1級から14級の認定が既にされている方又は認定される可能性が高い方
※上記の方以外につきましては、せっかくご連絡いただいたとしても、弁護士費用の方が高額となってしまう可能性があるため、現在、当事務所ではご相談対象を上記の方に限っております。

無料相談の時期ですが、以下の時期が望ましいと思います。

死亡事故


すぐご相談下さい。

遷延性意識障害(植物状態)


すぐご相談下さい。

介護を必要とする後遺障害


すぐご相談下さい。

後遺障害等級1級から14級の認定が既にされている方又は認定される可能性が高い方


後遺障害等級の認定がされた後でも大丈夫ですが、後遺障害等級が認定される前でも大丈夫です。気になることがございましたらその際に無料相談をご利用下さい。

法律事務所によっては、後遺症の無料相談の時期について後遺障害の等級認定がおりてからという事務所もありますが、当事務所では認定前の無料相談も可能です。気になることが出てきた際には一度ご相談下さい。

なお、弁護士費用特約がある保険に加入されている方は実質的には無料相談が可能となりますのでご相談下さい。



その他後遺症の相談Q&A


後遺症の相談についてよくある質問について解説いたします。

Q後遺症に該当しないと言う認定を受けてしまったのですが、まだ治っていません。
どうすればいいのでしょうか。
A 後遺症については、まだ治っていないにもかかわらず、後遺症に該当しないとされてしまうことがあります。後遺障害として認定され、保険金が支給されるためにはある程度後遺症の程度として重い症状であることが必要です。
例えば、後遺症としては一番程度が軽いと一般にはされている第14級では以下のような事項が対象とされています。
(1)1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
(2)3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
(3)1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
(4)上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
(5)下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
(6)一手のおや指及びひとさし指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
(7)一手のおや指及びひとさし指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
(8)1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの
(9)局部に神経症状を残すもの
(10)男子の外貌に醜状を残すもの
これに該当する以下の場合には、後遺障害非該当となってしまいます。
このようなご相談の場合、今後異議申立をするか、それとも、後遺症がない前提で入通院慰謝料の増額を求めていくというような方法があります。

Qむちうち症になってしまったのですが?
A むちうち症(頸椎捻挫)の症状は交通事故において比較的多くある後遺症です。後遺症の第14級第9号の「局部に神経症状を残すもの」に認定される可能性があります。
ご相談の内容にもよりますが、後遺障害等級の獲得を目標にする必要があるかもしれません。

Q後遺症のことが難しくてよくわからないのですが?
A 後遺症のご相談内容は医学的な問題と法律的な問題が組み合わさる領域でとても難しい問題です。治療や医学的な意見は医師への相談、法律的な意見は弁護士への相談が望ましいと言えるでしょう。
誰に相談してよいかわからない場合にはまずは弁護士に相談してみることがいいのではないかと思います。

(文責:弁護士 大澤 一郎



※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。