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交通事故知識ガイド高次脳機能障害Q&A

まだ入院中なのですが、何か気を付けることはありますか?

弁護士からの回答

解説者の弁護士前田徹

脳の損傷が疑われる場合は、必ずMRIを撮影してもらいましょう。
また、ご家族の方が付き添っている場合には、証拠や情報を保全しておきましょう。

脳の損傷している場合にはMRIを撮影してもらう

大きな交通事故の場合、頭部を受傷している場合などは救急搬送先で頭部のCTを撮影することが一般的です。そこで、脳の損傷が疑われる場合には、より正確な情報を得るためMRIを撮影することが多いと思います。

MRIとは磁力を用いて体内の水を画像化する診断する機器ですが、CTと比較してより情報量が多く診断能力が高いとされています。(近年は脳の診断にはMRIがファーストチョイスになっている場合もあるようです。)

今後の治療方針の確定のため、あるいは万が一症状が残存した場合のエビデンスとしてもMRIは有用ですので、脳の損傷が疑われる場合には必ずMRIを撮影してもらいましょう

入院中ご家族が付き添った費用を請求できる場合がある

例えば脳を損傷し、ICUに入ってしまう場合などは、ご家族が付き添い、医師の説明を聞き、あるいは入院の準備をすることが一般的だと思います。そのために仕事を休まざるを得ないこともあると思います。
ご家族等の入院の付き添いのために発生した損害を、「入院付添費」といいます。では、こういった費用を相手に請求できるでしょうか。

裁判所の考え方を記載した赤い本では「医師の指示または受傷の程度、被害者の年齢等により必要であれば、(略)近親者付添人は1日につき6,500円が被害者本人の損害として認められる」とされています。

上記の脳を損傷しICUに入ってしまう場合などは「受傷の程度」が重く、付添費が認められる可能性が高いです。
また、赤い本では日額6,500円という金額について「症状の程度により、(略)1割~3割の範囲で増額を考慮することがある」ともされています。

どのような症状があれば増額が認められるかはケースバイケースですが、例えば過去の裁判例では、大声を発する、徘徊してしまう(近親者が見守らないとベッドに拘束されてしまう)、看護師に暴力をふるってしまう、排せつに介助が必要といった事情が認められる場合は、増額をして高額の付添費用の支払が命じられています。

証拠保全の必要性

入院付添費を請求する場合、被害者の側で具体的に付き添った日数と事実を主張立証しなければなりません

例えば退院をされ、治療が終了しあるいは後遺障害が認定され、事故から1年あるいは数年が経過した状況だと入院時の状況やどれくらい(何日)付き添ったかわからなくなってしまう場合があります。
そこで、付き添い費用の請求に備えて、被害者本人の状況、医療関係者の話、付き添った日をメモ等で残しておくとあとあと有用です。日記等をつける方もいらっしゃいます。
また、ご家族が受け取った手術の説明書、同意書等でも付き添ったことが分かる場合がありますので、保全しておくとよいでしょう。

例えば一年間毎日付き添いを行った場合、日額6,500円に365日を掛け合わせると200万円を超える大きな金額になります。

そもそも家事や仕事を犠牲にして毎日病院に行くこと自体大変な事柄だと考えますので適正な賠償金を受領するために証拠の保全というお話はぜひ知っておいて欲しい事柄です。

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