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交通事故知識ガイド後遺症(後遺障害)

大腿骨転子部骨折

解説者の弁護士川崎翔

大腿骨転子部骨折とは、大腿骨の転子部が骨折する病気です。
大転子部を直接打撲して起こることが多く、交通事故で多く発生する症状です。
転子間骨折、転子貫通骨折とも呼ばれます。
Q後遺障害の認定基準はどのような基準ですか。
A交通事故の大腿骨転子部骨折の場合には、股関節の可動域制限によって、1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を遺すものとして、12級7号(可動域4分の3以下)が認定されることがあります。
ただし、治療によって治ることも多く、その場合には後遺症の等級は認定されません。

特に、高齢者の症状は長期化しやすい症状ですが、若年の場合には比較的後遺症を残さすに治りやすい症状であると言われています。

Q立証上のポイントはどのようなポイントですか。
A交通事故による大腿骨転子部骨折の場合、骨折ですのでレントゲン(XP)での撮影などにより証明するのが一般的です。レントゲンでの撮影の場合には、症状に応じてタイプやグループ分けがなされています。股関節の可動域制限の場合には、正確に医師に測定を依頼すべきです。

一度後遺障害診断書に可動域制限の度数の記載がなされると、一般に医師は修正には応じませんし、また、修正をしているという事実自体が合理的な理由がない限り後遺症の認定にあたって不利となることもあります。また、後遺障害診断書には、自覚症状の欄に常時痛みがあるのであれば常時痛い旨の申告を医師にして、自覚症状の欄に記載を依頼した方がよいでしょう。

時々痛い、寒くなると痛い等の記載は、後遺症認定を否定する方向での記載となることが多いので注意しましょう。1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級11号)として、可動域制限が2分の1以下となることは交通事故では一般には少ないようです。

Q保険金額決定のポイントはどのようなポイントですか。
A一般に可動域制限の後遺障害の場合、裁判の基準と任意保険会社が提案してくる基準が異なることが多いです。
裁判の基準では67歳までの金額が認められることも多いのですが、任意保険会社の提案では、労働能力喪失期間を10年、20年と区切ってくることが多い印象です。年5%の遅延損害金や10%の弁護士費用を獲得できるチャンスもありますので、総合考慮にはなりますが、裁判の提起も含めて検討した方がよいでしょう。また、微妙な事案の場合には、紛争処理センターへの申立という方法もあります。

任意保険会社との交渉、紛争処理センター、裁判と複数の選択肢を比較検討して、一番妥当な方法を検討することが望ましいと言えるでしょう。なお、治療期間6ヶ月を経過した段階で後遺障害申請をすることが望ましい傷病名と言えます。