事例433頚椎捻挫・腰椎捻挫
保険会社より対人賠償が使用可能なことを秘匿されていた事例
最終更新日:2023年03月17日
文責:弁護士 根來 真一郎
保険会社提示額 : 150万円
- 解決額
- 250万円
- 増額倍率 :1.6倍
- 病名・被害
-
- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
-
- 首
- 腰・背中
- 後遺障害等級
-
- 14級
事故発生!自動車対自動車の事故
令和元年某月、西垣さん(仮名・千葉県在住・30代・男性・自営業)が同乗していた車が事故を起こし、西垣さんも負傷するという事故に遭いました。
相談から解決まで
西垣さんは、頚椎捻挫・腰椎捻挫の傷害を負い、約7か月に及ぶ通院を余儀なくされました。懸命に治療やリハビリに励まれましたが、首と腰に症状が残ってしまいました。
後遺障害申請を行ったところ、首と腰に14級の後遺障害が認定されました。そして、最終的に約250万円という金額で解決することができました。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、交渉を行った結果、適正な損害賠償額で解決することができました。
解決のポイントは以下の点です。
1保険会社より対人賠償が使用可能なことを秘匿されていたこと
西垣さんは、後遺障害が認定され、保険会社から金額の提示があったけれども金額が妥当なのでしょうかと相談にいらっしゃいました。しかし、後遺障害について併合14級が認定されていたにもかかわらず、提示されていた金額は約150万円とかなり低額な水準でした。増額の可能性が大きかったため、西垣さんに今後の方針や交渉について説明をさせていただきました。
しかし、西垣さんから提示された資料をよく見ていると、本来は「示談書」や「免責証書」というタイトルが付けられているべき書類のタイトルが「確認書」となっていました。さらに「人身傷害保険の上記保険契約に関し」という文言も記載されていました。
そこで、「対人賠償」ではなく「人身傷害保険」が使われているのではないか、保険会社の提示は全くおかしいのではないかということに気づきました。
「人身傷害保険」は「対人賠償」よりも支払基準が低いので、保険会社にとって支払う保険金が安く済ませられるというメリットがあります。また事故の加害者にとっても、「対人賠償」を使うと等級がダウンし保険料が上がりますが「人身傷害保険」を使うと等級が変わらないので保険料は変わりません。そのため、西垣さんにとっては理不尽この上ないのですが、保険会社と加害者にとっては有利な内容となっていました。
ただ、この保険会社は損害保険業界の中でも大手です。保険金の支払いを抑えるために「対人賠償」ではなく「人身傷害保険」を使うにとどめるだなんてそんなことありえないと思いました。
そのため、もしかしたら何らかの事情があって「対人賠償」が使えずに「人身傷害保険」を使ったのかもしれない旨をご説明し、依頼をいただきました。
保険会社に依頼をいただいた通知を送り、「「対人賠償」がなぜ使われていないのか」と確認したところ、「今から「対人賠償」に切り替えます」とあっさり保険会社は「対人賠償」に切り替えました。
保険会社の社会的責任とはなんなのかと、本当に唖然とする保険会社の対応でした。最終的に、約250万円という適正な損害賠償額で解決することができました。
依頼者様の感想
ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 根來 真一郎

本事例へのよくある質問
- 人身傷害保険と加害者任意保険の利用は何が違いますか?
- 人身傷害保険は自分が加入している自動車保険の特約です。
- 加害者の任意保険は加害者が加入している保険です。
- 一般的には、人身傷害保険よりも加害者が加入している任意保険の方が多額の補償があります。