異議申立てにより非該当から14級9号を獲得し、逸失利益の交渉で増額した事例

最終更新日:2025年08月22日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
川田 啓介
当初の提示額なし
最終獲得金額
325万円
325万円 増額
千葉県佐倉市・40代・男性・会社員
病名・被害
頸椎捻挫・両肩関節捻挫・右手関節捻挫・胸部打撲
けがの場所
手・肩・肘
最終獲得金額
325万円
後遺障害等級
14級
事例の特徴
むちうち(首・腰)

事故の状況

依頼者である山本様は、センターラインのない優先道路を直進中、左側の細い道から安全確認を怠って進入してきた相手車両と衝突しました。

衝突後、被害車両は惰性でガードレールにも衝突しました。

センターラインのない優先道路を直進中、左側の細い道から安全確認を怠って進入してきた相手車両と衝突し、衝突後に被害車両は惰性でガードレールにも衝突した事故状況図

ご相談内容

保険会社から治療費の打ち切りを打診

山本様は事故当時40代であり、会社員として勤務されていました。
けがは頚椎捻挫、両肩関節捻挫、右手関節捻挫、胸部打撲です。

しかし、相手方の保険会社から治療の打ち切りを打診されました。

今後の対応を任せるため弁護士に依頼

山本様は今後の対応を弁護士に任せたいということでよつば総合法律事務所に相談し、そのまま依頼しました。

交通事故による右手関節捻挫

弁護士の対応と結果

非該当から異議申立てにより14級9号を獲得

弁護士に依頼後、症状固定とする方針を決定し、ほどなくして症状固定となりました。

その後、主治医の先生に依頼をして後遺障害診断書を作成し、被害者請求(後遺障害の申請)を行いましたが、結果は非該当(後遺障害なし)でした。

被害者請求

非該当の結果を受け、山本様は弁護士と今後の方針について相談します。弁護士から疼痛の部分で等級認定の可能性があるというアドバイスを受けたことから、異議申立てを行う方針となりました。

異議申立ての結果、「局部に神経症状を残すもの」の後遺障害(14級9号)が認定されました。

逸失利益の交渉で増額に成功し、早期に解決

後遺障害が認定された後、相手方保険会社と交渉し、自賠責保険金75万円も含めて最終的に325万円での示談が成立しました。

今回の事案では、事故が年末の12月に発生したため、基礎収入として通常の事故前年の年収ではなく、事故年の年収を元に逸失利益を計算しました。

原則にとらわれず、山本様にとって有利な主張を行うことで、最終的な獲得金額の増額につなげることができました。

山本様が受け取った金額のまとめ

自賠責保険 75万円
任意保険 250万円
合計 325万円

解決のポイント

1. 異議申立てを見据えた早期の準備

後遺障害の申請が非該当となる可能性を考慮し、異議申立てに備えて早い段階で神経学的所見の推移について(通称「A3」)と症状の推移について(通称「A4」)という追加医証を整形外科に依頼しました。

医師からスムーズに証拠を取得できたことにより、非該当となった後もスムーズに異議申立ての手続きを進めることができました。

2. 原則にとらわれない逸失利益の計算方法の主張

逸失利益の算定において、通常は事故前年の年収を基礎としますが、本件では事故が年末であったことと、昇給等もあったため事故年の年収の方が高額でした。

そこで、山本様にとって有利な事故年の年収を基礎として主張し、交渉を進めたことが増額につながりました。

ご依頼者様の感想

粘り強く交渉していただきありがとうございました。

(千葉県佐倉市・40代・男性・会社員)

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本事例へのよくある質問

Q後遺障害の異議申立てで注意すべき点は何ですか?

異議申立ては、当初の判断が覆る可能性は低いとされていますが、認められるケースもあります。

異議申立てを行う際は、当初の判断に対する反論を、医学的根拠に基づいた客観的な資料(医師の意見書など)とともに、論理的に展開することが重要です。
可能性が高くなかったとしても、諦めずにチャレンジすることも大切です。

Q逸失利益の計算で注意すべき点は何ですか?

逸失利益の基礎収入は、原則として事故前年の年収を元に算定しますが、本件のように事故年の方が高額な場合など、例外的な状況もあります。

逸失利益の計算は、個別の事情に応じて、被害者にとって有利な金額を主張していくことが重要です。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
川田 啓介

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