仕事と家事や育児をする女性が腕を骨折(10級)し、1500万円をもらえた事例
最終更新日:2023年03月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 根來 真一郎

- 病名・被害
- 上腕骨骨折
- けがの場所
- 手・肩・肘
- 最終獲得金額
- 1500万円
- 後遺障害等級
- 10級
事故の状況
南さん(仮名)はバイクに乗っていました。そして、車が後ろからぶつかってきます。南さんのバイクは転倒しました。
南さんは右腕を骨折します。
ご相談内容
南さんのけがは右上腕骨骨折です。右腕の肩に近いところの骨折です。
南さんは1年半ほど病院に通院しました。しかし、完全には治りませんでした。
保険会社提示額は600万円
南さんは自分で後遺障害の申請の手続きをします。一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの(10級10号)の後遺障害となりました。
保険会社が出した示談金の額は600万円です。南さんは示談してよいのかどうかわからず、弁護士に相談してみることにしました。
保険会社の提示額は低すぎるというアドバイス
南さんは弁護士と会って実際に相談します。弁護士の話では、600万円という示談金は低すぎるということでした。
今後の交渉の流れなどの話も聞いて、南さんは弁護士に頼むことにしました。
南さんのご相談内容のまとめ
- 600万円という金額で示談してよいかわからない。
- 適正な示談金の額を教えてほしい。
弁護士の対応と結果
弁護士が代理する前の保険会社の提示額は600万円と低いものでした。特に逸失利益が低いものでした。
逸失利益とは、後遺障害により発生する将来の収入減への賠償です。
保険会社の主張する逸失利益には次の問題がありました。
- 年収について、女性の平均年収よりも低く計算していた。
- 減る割合について、10級の平均の27%ではなく、14%で計算していた。
年収は女性の平均年収でおおむね計算して合意できた
南さんは兼業主婦です。兼業主婦の年収は、女性の平均年収で計算することが多いです。
南さんの事故前の体調などの要素もあり、女性の平均年収で全ての期間を計算することはできませんでした。しかし、一定の年数は女性の平均年収で計算することができました。
年収の減る割合は10級の平均の27%で合意できた
南さんの後遺障害は「一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの」(10級10号)です。10級の年収の減る割合の平均は27%です。
保険会社の主張は12級の平均の14%でした。保険会社の主張に特に根拠はありません。しかし、任意の交渉では絶対に14%以上譲歩しないという強硬なものでした。
根拠なく年収の減る割合を譲歩することは絶対にできません。そのため、南様と弁護士は長期戦になりそうだという状況を共有し、粘り強く交渉を続けます。
その結果、5か月に及ぶ交渉にて、27%という弁護士が主張する通りの年収の減る割合で合意できました。
1500万円での合意
年収を女性の平均年収で計算し、年収の減る割合を27%で計算することができました。そのため、逸失利益の大幅な増額に成功します。
結果として、1500万円を受け取る合意ができました。
弁護士の対応と結果のまとめ
- 600万円から1500万円への増額に成功
- 賠償額が2.5倍に増額
解決のポイント
1. 保険会社の不当な提示
保険会社は南さんに600万円の示談金をはじめは提示していました。しかし、兼業主婦の後遺障害10級の賠償額としては明らかに不当な提示でした。
今回の南さんのように、保険会社はすごく低い金額を示談金の案として提示してくることがあります。
保険会社との間で最終的な示談書を作成してしまうと、金額が低かったとしても争うことはできません。
南さんは示談前に弁護士に相談したため、大幅な増額に成功しました。最終的な示談書を作る前には慎重に検討しましょう。悩んだら、事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県千葉市・40代・女性・兼業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q保険会社の提示する逸失利益は少ないことが多いですか?
-
少ないことが多いです。次の3つを確認しましょう。
- Q労働能力喪失率14%は通常は何級の後遺障害ですか?
-
14%は12級の後遺障害です。
10級の標準は27%です。可動域制限の範囲が微妙な事案のとき、保険会社は少し下の労働能力喪失率を主張することがあります。
たとえば、10級の後遺障害であるにもかかわらず12級、12級の後遺障害であるにもかかわらず14級の労働能力喪失率を主張してくるなどです。
労働能力喪失率は、今後の仕事に与える実際の影響がどのようなものかという点が重要なポイントです。個別の被害の状況に応じて適切な主張や立証を行いましょう。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 根來 真一郎