高次脳機能障害(7級)の学生が、3451万円を受領した事例
最終更新日:2024年08月26日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 粟津 正博

- 病名・被害
- 頭蓋骨骨折、外傷性脳挫傷
- けがの場所
- 頭部
- 最終獲得金額
- 3451万円
- 後遺障害等級
- 6~8級
- 事例の特徴
- 高次脳機能障害
事故の状況
山上さん(仮名)は自転車に乗って横断歩道を横断していたところ、横から突っ込んできた車と衝突しました。
ご相談内容
山上さんは頭を強く地面にぶつけます。意識がはっきりと戻ったのは1週間後でした。
MRIで頭の状態を精査したところ、脳に損傷があることがわかりました。
山上さんの父親が弁護士に相談
事故後まもなく、山上さんの父親は弁護士に相談します。今後の治療、後遺障害、示談交渉などいろいろ気になっていたことがあったためです。
弁護士に依頼したほうがよさそうだったので、山上さんはそのまま弁護士に依頼することとしました。
弁護士の対応と結果
山上さんは何とか学校に復帰することはできました。もっとも、怒りやすい、疲れやすいなどの高次脳機能障害の典型的な症状が出ています。学校や家族のサポートが必要な状況でした。
その後、事故から1年で山上さんは症状固定となります。高次脳機能障害が残りました。
7級になり自賠責保険会社から1051万円を受領
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、高次脳機能障害について「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」(7級4号)となりました。
7級になったので、山上さんは自賠責保険会社から1051万円を受領しました。
交渉で任意保険会社から2400万円を受領
7級になったあと、保険会社との交渉を弁護士はスタートします。
症状が残っていることが明らかだったこともあり、交渉は比較的スムーズに進みます。最終的には2400万円で合意します。
山上さんは、交渉で任意保険会社から2400万円を受領しました。
山上さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 1051万円 |
---|---|
任意保険 | 2400万円 |
合計 | 3451万円 |
解決のポイント
1. 高次脳機能障害で7級の認定を目指す
高次脳機能障害として後遺障害になる場合、1級・2級・3級・5級・7級・9級のいずれかの等級となることがあります。
1級・2級・3級は介護を要するほど重症な場合です。
5級は特に軽易な労務以外の労務に服することができない場合です。すなわち、一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことができない場合です。
具体的には、5級のときは元の仕事を退職したり、軽作業に転職しているケースが多いです。
一方、元の職場や学校に戻れる程度の障害ではあるが、高次脳機能障害のために周囲や本人の配慮や努力が必要であるようなケースについては、7級か9級となることが多いです。
7級と9級の等級の住み分けは1~5級の基準よりも判然としないため、微妙な事案が多いです。言い方を変えれば、医師の診断書の作成方法やご本人やご家族が作成する報告書の作成方法・表現によって上位の等級となる可能性が出てきますので、弁護士が関与する必要性が高いと考えています。
山上さんのケースでも、認定されるのは7級か9級であると予め見立てをつけました。そして、7級の認定を得るための活動を弁護士は行いました。
2. 主治医や学校の先生との連携
弁護士は、ご家族と面談や打ち合わせを重ねます。
今山上さんが困っていることや、家族から見て取れる事故の影響を丁寧にヒアリングしました。そして、具体的なエピソードを含めて報告書を作成しました。
幸い、事故直後からご依頼を受けて治療期間中も山上さんの状況を詳細に伺っていましたので、治療の結果できるようになったことや症状として残ってしまったものを丁寧に報告書に記載できました。
次に、ヒアリング結果を基に、主治医の先生に医師から見た高次脳機能障害による症状を、これまで行った神経学的な検査結果を踏まえて書面で明らかにしていただきました。
結果として、弁護士が目標としていた7級の等級認定にいたりました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県千葉市・10代・女性・学生のご両親)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q子供の高次脳機能障害はどのような点に注意すればよいですか?
-
自覚症状がない高次脳機能障害に注意しましょう。また、症状固定時期や賠償交渉、復学を慎重に進めましょう。
- Q頭部外傷の高次脳機能障害におけるMRI検査の役割は何ですか?
-
共に脳損傷の有無や程度を把握できます。事故後早めの画像検査をおすすめします。

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- 弁護士
- 粟津 正博