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解決事例

事例463頚椎捻挫、慢性硬膜下血腫

カルテを取得して症状の推移を精査、慢性硬膜下血腫後の脳実質への圧迫と左上肢痺れの因果関係を認め後遺障害12級13号が認定され、最終的に約400万円が支払われた事例

最終更新日:2023年01月26日

文責:弁護士 粟津 正博

保険会社提示額 : 提示前のご依頼

解決額
400万円
怪我の場所
  • 頭部
後遺障害等級
  • 12級

事故発生!自動車自動車の事故

平成30年某月、細井さん(仮名・千葉県在住・50代・男性・会社員)が信号のある交差点を自動車に乗って直進中、対向から右折してきた貨物自動車に衝突され、負傷しました。

相談から解決まで

細井さんは、相手方自動車と衝突後、電柱に衝突して停止、車両は大破しました。病院に救急搬送され、1週間程度経過を見たものの、その時点では経過は良好とされ自宅で経過観察となりました。もっとも、事故から約1カ月事故後あたりから、左上肢の強い痺れを自覚し始め、そして我慢できない頭痛を自覚し、再度病院に救急搬送されました。頭部を精査した結果、硬膜下から慢性的な出血があり、頭痛の原因となっていることが分かり、血種洗浄除去術を施行しました。その後も、治療リハビリを継続したものの、左上肢の痺れの症状を自覚しており、当事務所には治療終了後、後遺障害の申請をすべきか悩んでいると相談にいらっしゃいました。

当事務所が依頼を受け、医療記録を精査して、後遺障害の申請を行った結果左上肢の痺れについて12級13号が認定されました。また認定に伴い、自賠責保険会社より224万円が支払われました。そして、後遺障害認定結果を基に示談交渉をした結果約400万円が支払われる内容で示談をしました。

当事務所が関わった結果

当事務所が依頼を受け、適正な後遺障害認定を得ることができました。

解決のポイントは以下の点です。

1左上肢の痺れの原因(頚椎捻挫)

本件では、細井さんは強い左上肢の痺れ、脱力感を自覚していました。もっとも、医証上細井さんは事故直後左上肢の痺れの症状を訴えておらず、細井さん同症状を訴えたのは事故から約1ヵ月後でした。

頚椎捻挫捻挫後の症状として上肢の痺れを訴えるケースは比較的多いですし、画像所見によっては後遺障害が認定されます。もっとも、保険会社や後遺障害調査機関の基本的な考え方では、頚椎捻挫による症状は事故直後から訴えがあってしかるべきるべきもので、事故後しばら時間が経過してから訴える症状については事故との関係を否定されてしまうことが多いです(発症遅延)。

細井さんのケースでも、頚椎捻挫によって左上肢の痺れが出現していると主張しても、事故との関係が否定される可能性が高いものと考えました。

2左上肢の痺れの原因(慢性硬膜下血腫)

そこで、次に事故後約1ヵ月後に診断された慢性硬膜下血腫と左上肢の痺れの関係を疑いました。

医療機関に医療照会を行い、カルテを取得して慢性硬膜下血腫の治療経過を追いました。

結果的には、細井さんの左上肢の痺れは、慢性硬膜下血腫後の脳実質への圧迫によるものであると判断され、本件事故と因果関係があるものとして、後遺障害12級が認定されました。

単に痺れがあると言っても、それが中枢神経(脊髄又は脳)から来るものなのか、末梢神経から来るものなのか、後遺障害申請を行う上でどのような説明をするのかという点は非常に重要です。本件は発症遅延として後遺障害が否定されかねない症状について、医療記録を精査し、適切な後遺障害認定を得ることができた例でした。

依頼者様の感想

相談して、後遺障害の申請をして良かったです。たくさん資料を検討していただいてありがとうございました。

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