頚髄損傷等による高度の四肢麻痺で後遺障害1級1号を獲得し、総額5600万円で解決した事例
最終更新日:2026年09月25日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川田 啓介
- 病名・被害
- 頚髄損傷
- けがの場所
- 首鎖骨・肩甲骨・肋骨・胸骨手・肩・肘足・股・膝
- 最終獲得金額
- 5600万円
- 後遺障害等級
- 1~5級
- 事例の特徴
- 脊髄損傷
事故の状況
本件事故は、信号機のある十字路交差点で発生しました。依頼者である島さん(仮名・80代男性)は、歩行者として横断歩道を渡っているときに、突然右折してきた車にはねられました。
車にはねられて激しい衝撃を受け、転倒した島さんは、頚髄損傷、鎖骨骨折、多発肋骨骨折などの深刻な重傷を負いました。
直ちに病院へ救急搬送され、精密検査ののち入院による治療が始まりました。その後、リハビリテーション病院へ転院し、長期間にわたる懸命な治療を継続することになりました。

ご相談内容
手術や長期間のリハビリテーションなど、懸命な治療を継続したものの、島さんには両上下肢の筋力低下や深刻な感覚障害、各関節の可動域制限などが残ってしまいました。車椅子での移動を余儀なくされ、食事や入浴、衣服の着脱といった日常生活のあらゆる場面において全介助を必要とする厳しい状態となりました。
ご家族は、今後の生活や介護にかかる費用、そして適切な後遺障害等級が認定されるのかどうかに強い不安を抱えていらっしゃいました。
そこで、「後遺障害の申請手続き」から「相手方との賠償金の交渉」までを専門家に任せたいと考え、よつば総合法律事務所の弁護士へご相談・ご依頼をいただきました。

弁護士の対応と結果
医療照会と丁寧な画像立証
受任後、弁護士は後遺障害等級の適正な認定に向け、自賠責保険に対する被害者請求の準備に着手しました。
島さんの症状で特に問題となりそうだったのは、医師の記録にあった「受傷前より手のしびれ、ふらつきあり」といった既往症(過去の病気や症状)に関する点でした。相手方保険会社や自賠責保険から「今回の事故ではなく、もともとの持病や加齢による症状ではないか?」と主張されるリスクがあったためです。
そこで弁護士は、以下の方針を徹底しました。
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頚部画像データの詳細な精査受傷時のCT・MRI画像を精査し、本件事故の衝撃によって脊髄への圧迫や髄内の輝度変化(損傷を示す画像上の変化)が生じていることを医学的に確認・提示しました。
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一貫した神経学的異常所見の立証搬送先の救急センターから転院先のリハビリ病院に至るまでのカルテや照会回答書を取りまとめ、事故直後から一貫して高度の四肢麻痺や神経学的異常(神経の異常を示す症状)が認められることを整理しました。
1級1号の認定を獲得
申請書類を揃えて自賠責保険に被害者請求を行った結果、弁護士の主張が無事に認められました。
本件事故に起因する脊髄の障害により高度の四肢麻痺が生じており、生命維持に必要な身の回りの動作について、常に他人の介護を要するものと判断されました。これにより、1級1号(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの)の後遺障害となりました。
懸念があった既存障害についても、弁護士による医療照会などが功を奏し、既存障害としては評価しないことが妥当との判断になりました。
自賠責保険獲得分を含め5600万円で解決
後遺障害1級1号の認定を受けた後、自賠責保険から支払われる保険金の受領手続きを行うとともに、将来の介護費用や逸失利益、後遺障害慰謝料などについて相手方保険会社との交渉を進めました。
持病の影響や過失割合、将来介護費の算定など複雑な争点があったものの、客観的な証拠に基づく粘り強い交渉を弁護士は行います。その結果、最終的な獲得金額は自賠責保険から支払われる分も含めて総額5600万円となり、ご納得いただける解決となりました。
解決のポイント
1. 事故前の素因や既存症状に対する的確な反論・立証
高齢者の交通事故や、持病を潜在的に抱えているケースでは、「事故前からあった症状だ」「持病の悪化にすぎない」として、自賠責保険での審査で既存障害として扱われ想定より低い等級になったり、相手方保険会社から賠償額の減額(素因減額)を主張されたりすることが少なくありません。
本件でも医療記録上に過去のしびれなどの記載がありました。しかし、事故前と事故後の状態を医学的な証拠(エビデンス)に基づいて明確に区別・立証したことが、1級1号という最上位の等級認定につながりました。2. 脊髄損傷における客観的所見の整理
頚髄損傷による四肢麻痺で1級の認定を得るためには、単に「動かない」「痛む」という自覚症状だけでなく、画像上の変性・圧迫所見や、受傷直後からの神経学的異常所見の一貫性が不可欠です。
そのため、複数の医療機関(救急病院、手術病院、リハビリ病院)の治療経過を漏れなく収集し、要点を整理して提出することが重要です。
3. 将来介護費や賠償項目を意識した交渉
高齢の被害者における1級などの重度後遺障害事案では、獲得金額の大部分を将来介護費や後遺障害慰謝料が占めます。
自賠責保険金の請求にとどまらず、今後必要となる介護の状況や必要な費用を根拠立てて主張した結果、自賠責獲得分も含めて総額5600万円という補償を獲得できました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。(千葉県千葉市・80代・男性・無職)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q高齢者の被害者でも将来介護費は認められるのでしょうか?
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高齢の方であっても、事故によって介護が必要となった(または介護の必要性が増した)場合には、将来介護費を請求できる可能性があります。
高齢者の場合、将来の平均余命までの期間について、近親者による介護(ご家族)や職業付添人(ヘルパー等)の利用実態・必要性に応じて日額を算定します。保険会社からは「もともと高齢で介護が必要になりつつあった」といった主張がなされることが多く、争点となりやすい項目です。医師の意見書や日常の具体的な介護状況を提示し、必要性を根拠立てて主張することが重要です。
- Q後遺障害の申請を弁護士に頼む(被害者請求を行う)メリットは何ですか?
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弁護士が被害者請求をサポートすることで、適切な等級認定を受けられる可能性を高められる点が大きなメリットです。
後遺障害の申請には、相手方保険会社に任せる「事前認定」と、被害者側で書類を揃えて申請する「被害者請求」があります。
事前認定は保険会社主導で手続きが進むため、被害者にとって有利となる医学的な証拠(医師の意見書など)が積極的に追加されず、結果として十分な立証がなされないおそれがあります。
弁護士に依頼して被害者請求を行う場合、必要な画像データの分析や主治医への医療照会、不利益な記載に対する意見書の追加など、等級認定に有利な医証(診断書や意見書などの医学的な証拠)を十分に整えて申請できるため、適切な認定を受ける確率を高めることができます。
事前認定

被害者認定

- Q車椅子生活や自宅介護に必要な「家屋改修費」や「介護用品費」も賠償されますか?
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事故による後遺障害のために必要となった費用であれば、実費として賠償の対象になります。
1級などの重度後遺障害で自宅介護を行う場合、必要性と相当性が認められれば、バリアフリー化(手すりの設置、段差解消、スロープやエレベーターの設置など)のための家屋改修費や、介護用品などの購入費用が賠償の対象となる可能性があります。
ただし、保険会社からは「過剰な改修ではないか」「事故前から必要だったのではないか」といった主張がなされ、争点になりやすい傾向があります。事前に保険会社とよく協議し、必要性や相当性を明確な見積書や医師の意見を元に主張する必要があります。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川田 啓介













