異議申し立てによる頚椎捻挫(14級)の70代自営業が、確定申告がないものの休業損害や逸失利益を含めて270万円を獲得した事例
最終更新日:2023年06月20日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 粟津 正博

- 病名・被害
- 頸椎捻挫
- けがの場所
- 首手・肩・肘
- 最終獲得金額
- 270万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
岡田さん(仮名)が車を運転して信号待ちをしていたところ、うしろから車に追突されました。
ご相談内容
岡田さんのけがは頚椎捻挫です。首から両肩の強い痛み、両手の冷えなどに悩みます。
8か月ほど通院を続けたものの、完治することなく症状固定となりました。
後遺障害のところから弁護士に相談
治療が終わったあと、岡田さんはどのように進めればよいかよくわかりませんでした。そこで、岡田さんは弁護士に相談します。
弁護士費用特約もあったので、後遺障害のところから岡田さんは弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
はじめの後遺障害申請は非該当
弁護士は後遺障害の申請をします。しかし、はじめの後遺障害申請の結果は非該当でした。
異議申し立てを岡田さんと弁護士で準備
後遺障害ではないという結論は、岡田さんが納得できる内容ではありません。
そこで、弁護士は岡田さんと相談のうえ、異議申し立ての準備をします。具体的には次のような準備をします。
- 神経学的所見の推移についてを主治医に依頼
- 症状の推移についてを主治医に依頼
- 症状固定後も治療のために病院に通っていることがわかる領収書などを準備
- 異議申立書を準備
異議申し立てで14級になり、75万円を自賠責保険会社から受領
弁護士が異議申し立てをしたところ、頚椎捻挫後の首や肩の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
14級になったので、岡田さんは自賠責保険会社から75万円を受領しました。
交渉により195万円を任意保険会社から受領
弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。
岡田さんは自営業で確定申告をしていませんでした。そのため、休業損害や逸失利益が大きな争いとなります。
そこで、弁護士は次のような資料を準備して保険会社に出します。
- 会社の帳簿
- 通帳の入出金がわかる資料
- 会社に残っている売上や経費がわかる資料
その結果、平均賃金なども参考にしたうえで、岡田さんもある程度納得できる休業損害と逸失利益で合意します。トータルの損害額は195万円です。
岡田さんは、任意保険会社から195万円を受け取ることができました。
岡田さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 75万円 |
---|---|
任意保険 | 195万円 |
まとめ | 270万円 |
解決のポイント
1. 自営業の休業損害を受領
岡田さんは自営業です。しかも、確定申告をしていませんでした。
自営業で確定申告がないときは、休業損害でもめる確率が高いです。売上や所得を証明する公的な書類がないためです。
もっとも、確定申告書がないとしてもあきらめてはいけません。
通帳、帳簿、請求書、領収書など、会社に残っている書類で証明ができれば、休業損害の認定に至ることもあります。
今回は、弁護士が交渉したことにより、岡田さんも納得できる休業損害を受領できました。
自営業の休業損害は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
2. 自営業の逸失利益を受領
自営業の休業損害と同じく、自営業の逸失利益ももめやすいです。具体的には次の点がもめやすいです。
今回は、弁護士が交渉したことにより、岡田さんも納得できる逸失利益を受領できました。
自営業の逸失利益は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。また別の件でも今度相談させて下さい。
(千葉県木更津市・70代・男性・自営業)
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本事例へのよくある質問
- Q異議申し立てに期間制限はありますか?
-
異議申立て自体に期限はありません。
しかし、事故による損害賠償請求権の時効は5年です。そのため、症状固定から5年を経過してしまうと、すべての損害賠償請求が認められなくなります。
そのため、異議申立ての実質的な期限は症状固定から5年です。
事故の種類 時効の起算点 時効期間 物損事故 事故の翌日 3年間 人身事故(傷害のみ) 事故の翌日 5年間 人身事故(後遺障害が残った) 症状固定日の翌日 5年間 死亡事故 死亡日の翌日 5年間 加害者が判明しない事故 事故の翌日 20年間 後日加害者が判明した場合
※いずれか早い方加害者を知った日の翌日 5年間 事故の翌日 20年間
- Q異議申立ては何度もできるのでしょうか?
-
何度もできます。ただし、新たな資料を提出しなければ同じ結果となる確率が高いでしょう。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 粟津 正博