後遺障害11級7号の認定を受けたのち、適正な逸失利益を認めさせた事例
最終更新日:2025年06月10日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川田 啓介

- 病名・被害
- 第1腰椎破裂骨折
- けがの場所
- 腰・背中骨盤骨
- 最終獲得金額
- 3620万円
- 後遺障害等級
- 11級
ご相談内容
相手保険会社の賠償提示が適正か否か意見を聞きたい
初回相談の際には、既に治療は終了し、相手保険会社から580万円という賠償提示がなされていました。
そこで、金額の妥当性や溝口様の納得感についてヒアリングしました。
弁護士が提示された賠償案を確認すると、自営業の休業損害や逸失利益(後遺障害によって将来のお仕事に影響が出る部分の賠償)について、実際の収入実態や稼働実績などを考慮しない、適正な金額とは大きくかけ離れていると判断しました。
ご自身での交渉に苦戦してよつば総合の川田弁護士に相談
弁護士費用特約がないなどの事情から、ご自身で相手保険会社と交渉されていました。
しかし、相手保険会社は溝口様の主張を受け入れず、交渉は難航していました。
そのような状況の中、よつば総合法律事務所にご相談されました。
金額も高額にのぼることから紛争処理センターや訴訟も視野に入れたうえで、まずは過去の事例などに照らして相手保険会社と交渉してみるという方針に決定しました。
弁護士の対応と結果
粘り強い交渉により賠償金額が大幅に増額
裁判例や交通事故賠償の実務などの知識がなければ、被害者ご本人が相手保険会社と直接交渉をして適正な賠償金額を獲得することは難しいです。
本件についても、主な争点となっていた逸失利益における基礎収入や稼働実態、労働能力喪失期間などは、裁判例や過去の類似事例を参考に、粘り強く相手保険会社と交渉を進めました。
交渉の結果、相手保険会社から溝口様に対して、3620万円を支払う内容で合意に至りました。
溝口様は訴訟に移行すれば、賠償されるまでに長い時間がかかってしまうことから進行について懸念されていましたが、適正な金額による示談により早期解決できました。
解決のポイント
1. 裁判例や過去の事例など、客観的な資料に基づいて交渉することが重要
被害者ご本人では、過去の裁判例や効果的な主張をご自身で展開するのは難しいことが多いです。
「争うなら弁護士を付けてください」など、そもそも取り合ってくれないケースもあります。
弁護士が交渉に介入することで、裁判例や過去の事例などを踏まえて論理的に交渉を進めることが可能になります。
相手保険会社も裁判例や膨大な過去のデータなどに基づいて反論をしてくるため、主張の当否をしっかりと検証することが重要です。
2. 譲歩できないところは強い気持ちで交渉に臨む
裁判になると長期化することが多く、多少は譲歩して丸く収めたいという方も少なくないです。
しかし、適正な賠償額の獲得ができなければ「泣き寝入り」の状態にもなりかねません。
弁護士として、ご依頼者様の正当な権利の実現を目指し、譲歩できない部分(本件でいう基礎収入や労働能力喪失期間など)は譲歩できないと、毅然とした態度で闘ったことが、結果として適正金額での早期解決を実現させたのだと確信しております。
ご依頼者様の感想
自分で示談交渉をしていた頃は、相手保険会社からの提示額の低さ、スピード感の遅さに、誠実さに欠けるなと思いました。
また、これまで仕事を頑張ってきたはずの自身の価値が過少に評価されていると感じ、傷ついていました。
そのような中で、先生の根気強くかつ論理的な交渉により、スピード感のある解決を実現できたと考えております。
本当にありがとうございました!
他の弁護士さんと話すこともありましたが、川田先生のように親身に話を聞いてくださり、気持ちに寄り添った対応をいただいたのは初めてで、とても頼もしかったです。
(千葉県千葉市・30代・女性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q自営業者の休業損害で注意すべきなのはどのような点ですか?
-
現実の収入減をきちんと証明しましょう。また、休業中の家賃や従業員給料などの固定費の支出は、事業の維持や存続のために必要やむを得ないものは損害として請求できることがあります。
- Q11級7号の変形障害の後遺障害で注意すべきなのはどのような点ですか?
-
労働能力喪失率が20%となっているかどうか確認しましょう。また、労働能力喪失期間が原則67歳までとなっているかどうか確認しましょう。
ただし、変形障害のときは、仕事への影響がそれほど発生していないときもあります。仕事への影響がそれほど発生していないときは、労働能力喪失率が20%未満でも合意することが望ましい事案もあります。期間も67歳より短い期間で合意するのが望ましい事案もあります。
変形障害の後遺障害の交渉は難しいです。裁判をするとかえって金額が減ってしまうこともあります。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 川田 啓介